「最近、子どもが言うことを聞かなくなって困る」というパパやママはいませんか? もしかしたらその原因は、普段なにげなく親が子どもにかけている言葉にあるのかもしれません。株式会社しちだ・教育研究所代表取締役 社長である七田厚先生にお話をお伺いました。
小言が増えると、言うことを聞かなくなる
七田厚先生(以下、七田):私自身が子どもの頃も、同じようなことがありました。私がちっとも勉強しないということを気にかけて、母が父に相談したそうです。そのとき父が母にかけた言葉は「最近、小言が多くなっているからだよ」という一言のみでした。私には一言も勉強をしろとはいいませんでした。
親からしたらかわいい我が子のことが心配で、ついあれこれ言ってしまいますが、子どもからしたら逆効果。
「なんだ、お母さんはまた僕の悪いところばかりを見て文句を言ってくる」と反発心を生むだけで終わってしまいます。また、それによってより素直に言うことを聞けなくなってしまうのです。
「死んだ言葉」ばかり投げかけていないか
七田:普段、自分が子どもに対してどんな言葉を投げかけているかを振り返ってみることです。「なんでできないの!」「早くしなさい!」「遅いんだから」。こんな否定的な言葉ばかり投げかけていませんか? この否定的な言葉、物事のマイナス点を伝える言葉、発展性のない言葉を「死んだ言葉」と呼びます。逆に、ものごとのプラスの面を伝える言葉は「生きた言葉」といいます。
大人も子どもも「いくつになっても認めてもらいたい」という承認願望があります。子どもだってほめられたい、認められたいと思っています。なので、子どもがしたことに対して、まずはほめるべき点を見つけてあげる。物事のプラスの面を見る癖をつけるのです。
逆にいい面を見て「生きた言葉」をかけ続けることでセルフイメージが変わってきます。今までだったら「どうせだめだろう」と思ってしまっていたことにも、挑戦する意欲がわいてきます。
「できたこと」+改善点を伝える
七田:できていないところが気になる場合は、まずはできているところ、がんばったところを伝えてあげる。そのうえで「ここをこうしたら、もっと良くなるよ」と改善点を伝えてあげるといいですよ。
5歳の時にできていなくても、子どもはまだまだ発展途上です。「今、うちの子はこんな感じでこれができていなくて」と悩む方もいます。しかし、それは一生続くことではないから大丈夫です。もしかしたら、それは平均的なスピードよりもちょっと遅めかもしれませんが、必ずできるようになります。逆に「できるよ!」と応援してあげるといいのです。
まとめ
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