英検の受験会場に行くと実感しますが、近年小学生の英検受験者は非常に多いです。
会場では、高校生以下とそれ以上を分けて受験する部屋などを設定しているようですが、受験会場に行くたびに低年齢化が進んでいることを実感します。
娘のミヤピーも解答用紙に受験番号をマークする作業すらできず、未だに私が確認をしてやっている始末です。
前回準1級の受験会場に行ったときも小学生らしきお子さんがこれだけ多くいるのかと驚きました。
さて、今回は英検上位級の入口となる「英検2級」を小学生のうちに取得するメリットはどこにあるのかを考えてみます。
英検2級のレベル感
この連載でも何度かお伝えしておりますが、英検各級のレベル感は以下のとおりです。
級 | 推奨目安 | 出題目安 |
5級 | 中学初級程度 | 英語を習い始めた方の最初の目標。 家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題が出題されます。 |
4級 | 中学中級程度 | 出題形式や内容が、より実用的に。 身近なトピックを題材とした読解問題が加わります。 |
3級 | 中学卒業程度 | 二次試験でスピーキングテスト。英語で考えを伝えましょう。 筆記試験の題材は、海外の文化など少し視野が広がります。 |
準2級 | 高校中級程度 | 教育や科学などを題材とした、長文の穴埋め問題が加わります。 センター試験の問題形式と共通点が多く、入試対策にも最適。 |
2級 | 高校卒業程度 | 医療やテクノロジーなど社会性のある英文読解も出題されます。 海外留学、国内での入試優遇・単位認定など、コミュニケーション力が高く評価されます。 |
準1級 | 大学中級程度 | エッセイ形式の実践的な英作文の問題が出題されます。 「実際に使える英語力」の証明として高く評価されています。 |
1級 | 大学上級程度 | 二次試験では2分間のスピーチと、その内容への質問がなされます。 |
2級は高校卒業程度の英語力と言われています。
ビジネスシーンでも採用試験の履歴書などで英語力をアピールできるのは2級以上です。
英検を受験している中高生も2級を目指している生徒が多いようです。
高校生が英検2級をめざす理由
英検を受験している中高生は多くいますが、特に高校生は2級を目標に頑張っている人が多いです。2級の英検会場では高校生の姿を多く見かけました。
その理由は大学受験のためです。
英検の入試優遇制度を採用する大学はたくさんあります。
英検の利用方法は大学・学部によって異なりますが、出願資格に英検2級以上を求める大学や、推薦の条件としている大学もあります。
いずれにしても通常の受験に比べて有利な条件で受験できるようになるため、英検2級以上を目指す高校生が増えています
英検入試優遇制度の注意点
これも大学によって異なりますが、大学受験で有効となる英検の資格には有効期限が設けられています。多くの場合受験の2年前までの資格取得という条件が課されていますので、高校に入学すると2級の勉強を始める生徒が増えています。
小学生から目指す意味は?
だったら小学生から英検を受け始めてもなんの意味もないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、英検2級の勉強を高校入学後にはじめてもすぐに合格できるわけではありません。
この連載でも何度もお伝えしていますが、英語学習は積み重ねです。
小学生のうちから学習を進めていけば、高校生になってから改めて英検を受験した場合も英検の勉強に時間を大きく費やす必要はないはずです。
さらに、英検も上位級になっていくとリスニング力の差が合否を左右します。
小さいうちからリスニングに取り組んで耳を作っていくことは非常に重要です。
大学受験の勉強は範囲も広く難易度も高いので、勉強は大変です。
英検の勉強に時間を割くよりも他の教科に時間をさくことができるようになります。
先日、書店でセンター試験の過去問の本を見つけたので、娘に英語の過去問を見てもらいましたが難なく回答できていました。
それに加え、ひたすら英文を読み、何らかの形で英語を聞くことを継続し、一般常識が年齢相応に増えていけば大学受験において大きなアドバンテージを得られるのではないかと思っています。
英検の勉強をするタイミングはいつ?
娘は小学校受験をしたため附属の中学校・高校があります。本人が希望しない限り中学・高校受験をする予定がありません。
そのため、中学受験をする小学生よりも圧倒的に時間があります。
学校のテストも中学校の中間・期末テストに比べてゆるやかです。
そのため、娘の場合は小学校時代が最も時間を費やせると判断しました。
中学受験をするお子様の場合は、中学校時代がもっとも英語学習に時間を費やすべき時期なのではないかと思います。お子様の現状を考えて、いつが最も英検対策に時間を使えるかを親子で一緒に考えるとよいのかもしれません。
英検取得は中学受験にも有効
級にもよりますが実は英検は中学受験でも有利になる場合があります。
中学受験の場合は英検5級から優遇の対象となる学校もあります。
優遇の内容も様々です。
例えば聖徳学園中学校の場合は英検4級以上で英語試験が免除になるなどの優遇措置があります。
目黒日本大学中学校では級によって点数は異なりますが、一般入試の点数に加点措置がなされます。
淑徳SCでは、英検5級以上で給付制奨学金制度の対象となるなど、特待生の条件とする学校もあります。
万が一中学受験をすることになっても英検を取得していることで受験に有利になるためお守り代わりとしている部分もあります。
子どもに英語の勉強をさせてみて強く感じるのは、英語はなるべくはやめに学習をはじめたほうが後が楽そうだということ。
特に、リスニングはすぐに力がつくものではありません。
あわてて無理に教え込む必要はないと思いますが、児童英検などを利用して段階的に英語に楽しく親しめる機会を増やしていくと良いかもしれません。
次回もお楽しみに。