女性の医師「マリア・モンテッソーリ」によって考案された、自立した子どもを目指す「モンテッソーリ教育」。マリア・モンテッソーリが開設した保育施設「子どもの家」にてその教育方法が完成。100年以上経った今も世界中で実践されている教育法の5分野をご紹介していきます。
模倣期の子どもに「日常生活の練習」
2歳から3歳の子どもは模倣期にあたり、大人の動作をマネしたい年頃です。この時期にはママの洗濯や掃除などをマネしていきます。
教えるための道具の特徴は、子ども用サイズで興味を持ちやすい色彩や形であること。その教具を使って秩序だった動き方や、身のこなし方を学んでいきます。そして自分のことを自分で行えるようになり、結果として「自立心」と「独立心」が芽生えます。
家庭での取り組みとして、子どもサイズの食器を用意して配膳を任せる、踏み台を用意して子どもも大人と同じようなお手伝いができるようにするといったことがあげられます。
五感を発達させる知的活動の基礎「感覚教育」
教具は大きさの違う立方体を積み上げる「ピンクタワー」や、視覚を伸ばす「円柱さし」、触覚を感じる「触覚板」などがあります。他には音程を判断する「音感ベル」もあります。
これらの教具を使用することで五感の感覚が鍛えられ、物事を考える方法が身につきます。
家庭での取り組みとしては、数字を書いたカードを用意して、そのカードに書かれた数字と同じ数の洗濯ばさみを挟む遊びがあります。
名称を学んでいくことからスタート「言語教育」
教具には運筆練習を行う「メタルインセッツ」、指で文字をなぞって学ぶ「砂文字板」などがあります。さらには絵カードや文字カードなども活用して、基礎の「言語教育」を豊かにし、最後には文章構成や文法へとステップアップしていきます。
家庭での取り組みとして、文字を書いたカードを用意してあげて、パパママが言った単語を文字カードで並べる「単語ならべ」などが気軽にできます。
数量の概念からはじまる「算数教育」
論理的な能力が必要な「算数教育」の教具は算数棒やビーズ。これらを使って子どもに量を体感させ学ばせていきます。数の概念の基礎からはじまり、やがては十進法や加減乗除へと進んでいきます。
家庭での取り組みとしては数字を書くのはもちろんですが、ぶどうの絵が描かれたものに丸いシールを貼っていくだけでも数の概念を学ぶことができます。
身近なものから文化に触れ学ぶ「文化教育」
教具には「世界地図・日本地図パズル」があります。他には「動植物の絵カード」などがありますが、教具だけではなく身近にある生活様式や自然などを観察し、文化を学んでいくことが大切です。
家庭での取り組みとして「文化教育」の一つである生き物についての知識をつける場合、身近な蝶々を卵から成虫になるまで飼育し、その様子を観察することがあげられます。