新しい年を迎えてもまだまだ寒い季節が続きます。そんな1月にぜひお子さまに聴かせたい童謡をご紹介します。日本の良き伝統を感じる名曲ばかりで、大人なら誰もが知っていて口ずさめます。日本らしい風景を感じながら、一字一句を大切に歌ってみましょう。
元旦を迎えた大切な唱歌「一月一日(いちげつ いちじつ)」
一月一日 文部省唱歌 平成の録音
原曲の歴史は古く、文部省より1893年に「小学校祝日大祭日歌詞並楽譜」で発表された唱歌です。作詞は出雲大社の宮司の千家尊福(せんげたかとみ)で、明治から戦前にかけて小学校で歌われた曲です。
歌詞に「君」とあるように、元旦に天皇の御代が繁栄し続けることを祝う曲で、当時の人々の思いが詰まった曲です。もちろん現在では日本語の美しさを感じ、元旦を祝う曲として捉えられています。
子どもたちには難しい歌詞ですが、大人になったときに日本の文化の素晴らしさや、歴史の歩みを知るきっかけになる唱歌ではないでしょうか。
(歌詞)
年の始めの 例(ためし)とて
終(おわり)なき世の めでたさを
松竹(まつたけ)たてて 門ごとに
祝(いお)う今日こそ 楽しけれ
初日のひかり さしいでて
四方(よも)に輝く 今朝のそら
君がみかげに比(たぐ)えつつ
仰ぎ見るこそ 尊(とお)とけれ
演歌調の歌いやすいメロディー「北風小僧の寒太郎」
北風小僧の寒太郎(みんなのうた)
当時の「うたのえほん」の担当から「子ども向け演歌もあってもいいのでは?」という質問から作られた作品です。
そこでフジテレビのドラマ「木枯し紋次郎」をパロディ化、作詞の井出隆夫の幼少時代に経験した冬の故郷をイメージして制作。作曲は福田和禾子が担当しました。
その後の1974年12月に「みんなのうた」で堺正章が歌い大ヒットとなりました。また「北風小僧の寒太郎」は番組での再放送回数が一番多い楽曲です。
演歌調で歌いやすいメロディーに北風をイメージした歌詞、「ヒュルルルルルルン」と口ずさんでしまう風の音が特徴です。擬人法を使い北風を人に例えるところが日本らしい楽曲となっています。
冬の美しい雪景色が目に浮かぶ「雪」
雪 ゆき 歌付きバージョン (冬の童謡)
歌詞には古い日本語が使われています。「こんこ」は「来む此」という説があり、ここに降れという意味があると考えられています。もちろん子どもたちには難しい理屈はなしで、「こんこ」という音の響きが楽しく、雪が降り積もる音をイメージさせるのではないでしょうか。
ちなみに歌詞は一番と二番を混同している人が多く、正確に歌詞を間違えず歌える人は少ないです。ぜひお子さまにはフルコーラスで正しく教えてあげましょう。
(歌詞)
雪やこんこ あられやこんこ
降っては降っては ずんずん積もる
山も野原も わたぼうしかぶり
枯木残らず 花が咲く
雪やこんこ あられやこんこ
降っても降っても まだ降りやまぬ
犬は喜び 庭かけまわり
猫はこたつで丸くなる
一家に一冊あると便利な本の紹介!
著者 :成美堂出版編集部
出版社 :成美堂出版
最後は一家に一冊あると便利な本のご紹介です。『思い出の童謡・唱歌200 唄い出し索引つき』は、歌詞だけでなく楽譜も全曲収録されていておすすめです。