2017年05月26日 公開
すぐできる!【イギリス直伝のガーデニング】でのびやか子育て
イギリスといえば「ガーデニング」のイメージがある方も多いのでは。実際、子育てにもガーデニングを取り入れている家庭が多くあります。イギリス人家庭では、どのように子どもと一緒にガーデニングをしているか、現地のママさんたちから聞いた、とれたて情報をお届けします!
イギリスといえば「ガーデニング」のイメージがある方も多いのでは。実際、子育てにもガーデニングを取り入れている家庭が多くあります。イギリス人家庭では、どのように子どもと一緒にガーデニングをしているか、現地のママさんたちから聞いた、とれたて情報をお届けします!
子どもと一緒にガーデニングをする目的は?
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家庭によってその目的はさまざまですが、お話を伺った現地のママたちによると「子どものころから土や植物といった自然と関わる機会をもってほしい」「植物を通して、命のサイクルを知ってほしい」「いろいろな経験をしてほしいから。ガーデニングもそのひとつ」などの意見がありました。
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5歳になる娘の同級生ママ、Dさんの家庭ではどのような取り組みをしているのでしょうか。子どもたちが、積極的に取り組みたくなるように後押しするヒントを教えてくれました。
「兄弟一人ずつに花壇を作り、それぞれを本人たちが責任をもって世話をするように促しています。各花壇にイニシャルをつけ、自分の花壇だという自覚を持たせる工夫もしています。毎年3~5月ごろにガーデンセンターへ一緒に行って、どんな花や野菜を植えたいか、本人たちと話し合って決めます。水やりもそれぞれ頑張ってもらっていますよ」。
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Dさんに「親子でガーデニングに取り組もうと思ったのは、なぜ?」と聞くと、きっかけは「公園や外出先で植物や花壇を見かけたとき、大切に扱う、リスペクトするという気持ちも学んでほしいと思ったから」だそう。
「お家の庭で大切に世話をして育てている植物と同じように、他のところにある植物だって頑張って生きている命なんだよということを知ってほしかったんです」とのこと。
ガーデニングは植物の育て方を学ぶだけでなく、責任感を持つことの大切さ、植物や生き物という命に対しての優しさも学べるということですね。
どんな植物を選ぶのがベスト?
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次にお話を伺ったのは、地域の子育て支援施設で働き、もうすぐ2歳になるお子さんのママ、Kさん。
仕事柄、毎日さまざまな家庭環境の親子へ育児のアドバイスをしているKさん。地域の方に親子で楽しめるアクティビティのひとつとして、ガーデニングをすすめることもよくあるそうです。そんな彼女に、どのような植物を選ぶと良いのかを年齢別で聞いてみました。
【0~2歳】におすすめの植物
「まだガーデニングのプロセスはピンとこない年齢なので、まずは鮮やかな色の花など、幼い子どもでも興味が持ちやすい『視覚で楽しめるガーデニング』がおすすめです」。
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【3~4歳】におすすめの植物
「3歳くらいなら、トマトやイチゴなど子どもになじみのある植物がおすすめ。世話をしながら、これが食べ物になるんだと認識でき、さらに収穫してから味も楽しめるものが良いでしょう」。
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【5歳以上】におすすめの植物
「5歳以上ならハーブなどに挑戦するのもいいですね。見た目も他の花に比べると地味で、色もほぼ緑色のみというものが多いですが、実は匂いや触った感触がそれぞれ違う、よく観察するとそれぞれオリジナリティがあるということを理解できれば、それもまた良い発見になります」。
ほかにも、「ヒマワリは成長が早いので、小さな子どもにも変化がわかりやすくて、おすすめです」とのこと。
土いじりを嫌がる子どもの場合は、「水やりなど、好きなことから少しずつ自然や植物と関わっていく機会を設けてあげるといいですね」というアドバイスもいただきました。
ちなみに「自分のお子さんには、どのようなガーデニングをさせているか?」と聞くと、「素手でどんどん土を触らせるようにしています。虫に出会っても、それからまた発見や学びがありますからね!」とのことでした。
イギリスの教育機関とガーデニング
筆者の娘が幼稚園の時、母の日にプレゼントされたのは、デイジーの苗でした。
幼稚園で先生方が用意したプレゼント用の小さな鉢に、子どもたちが小さな手で一生懸命デイジーの種を蒔いて育ててくれたもの。カーネーションの花束のような華やかさはありませんが、そのデイジーのつぼみが開花するごとに子どもと一緒に何度も喜ぶことができ、とても思い出深い母の日のプレゼントとなりました。
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小学校にも敷地内のいたるところに大小たくさんの花壇があり、季節の花が元気に咲いています。
花だけでなく、ハーブがメインの花壇もあり、このハーブは子どもが自由に触ったり摘んだりして良いのだそう!眺めるだけでなく、どんどん触れ合ってほしいという学校の方針が形になった花壇です。
イギリスの教育機関には、このように子どもたちが植物とふれあって自然を身近に感じられる工夫がたくさん見られます。
イギリスのガーデンセンターとは
次に、イギリスのガーデンセンターについて、ご紹介します。
ガーデンセンターは、屋外用の植物、室内用の植物とコーナーが分けてあり、広々としたお店が多いのが特徴です。
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カフェやレストランなどの設備が充実しているところも多く、ランチやお茶のためだけにやってくるお客さんもいるほどです。イギリス名物のアフタヌーンティーやスコーン&ジャム、たくさんの紅茶やハーブティーのセレクションが楽しめるところも。
ほかにも、ギフトやグリーティングカード、本、洋服、クッキング用品が売ってあるところも珍しくありません。
ガーデンセンターといっても、ガーデニング関連のものだけでなく、ちょっとしたショッピングセンターのようになっているのが、イギリスのガーデンセンターの傾向のようです。
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お店には、シーズンに合わせて多種多様な植物が並んでいます。定番品はもちろん、珍しい植物との出会いも。行くたびに発見があるのが、ガーデンセンターの楽しみのひとつです。
同じ時期でもお店によって品ぞろえが変わるので、何件か訪れてみるのも良いでしょう。
ビギナーに必要な基本道具からプロ仕様の道具まで、店内にはたくさんのガーデニンググッズが並んでいます。
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種のコーナーは、とってもカラフル。種からか、苗から育てるのか、目的に合わせて選べます。
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日本同様、家庭菜園もイギリスで人気です。
先ほどお話を伺ったDさん、今年は息子さんたちとニンジンとルバーブ(お菓子の材料としても人気の植物)を育てているそうです。
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子ども用ガーデニンググッズもたくさん!大人顔負けの本格的な道具がそろいます。
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植物の種類が豊富なので、一度訪れただけでは決めきれないことも。散歩がてらに何度か足を運んで、お子さまが気に入った植物の中で、まずは「育てやすいもの」を購入するのも一案です。
まずは、親子で一つ植えてみませんか?
「ガーデニングには専用の花壇がないといけないかしら?」と気負う必要はありません。まずは、植木鉢とお子さまの気に入った花の苗一つから気軽にはじめてみると良いと思います。
毎日その植物のお世話をして、気づいたことなどを親子で話題にするうちに、お子さまの中でたくさんの発見と学びが芽生えていくことでしょう。植物がのびのびと育っていくことと同時に、お子さまの心ものびやかに成長していきますように。