お子さまへの絵本の読み聞かせは、感情たっぷりに演じ分けるべきか、淡々と読むべきなのか……。迷っているパパママも多いはず。そこで今回は読み聞かせの「演じ分け」についてのメリット・デメリットを整理します。状況に応じた読み聞かせをしてみてはいかがでしょうか。
読み聞かせは「0歳からスタートできる脳トレ」
0歳から就学前は脳の急成長期。読み聞かせに早過ぎることはありませんから、赤ちゃんのうちからスタートしましょう。
では、読み聞かせの方法として「演じ分け」はどうでしょうか?
よく言われる「演じ分け」のデメリットって?
登場人物ごとに演じ分け、声色を変えて熱演する読み方は「情緒を豊かにする」ようにも見えますが、実は子どもの想像力を邪魔してしまう可能性も指摘されています。
その理由は、演じ分けをすることで親の感情を通した「固定されたイメージ」が、絵本の内容としてお子さまに伝わってしまうから。お子さまが登場人物の性格やその場の状況などを、自由に想像できなくなってしまうのです。
子どもは大人よりも知識や経験が少ない分、「自由に想像力」を働かせることができます。絵本の内容が正しく伝わっているかどうかよりも、絵本の世界を自由に楽しめているかどうかが大切です。
想像力を育てる読み聞かせ方とは
1.過剰な抑揚、演じ分けはしない
子どもがどう感じるかにまかせましょう。
2.はっきり、ゆっくり読む
3.子どものペースに合わせる
そんなときは、順番どおりにすべて読まなくてもOK。親が寄り添い、読み聞かせるだけで、「脳と心」にたっぷり栄養を与えられます。
4.時おりアイコンタクトをとる
お子さまがパパママの顔を見たときは絵本から目を離して、笑顔で目を合わせてあげましょう。
5.寄り添って読み聞かせる
読み聞かせは、親子で密着して行うようにしましょう。
特に0~2歳の乳幼児は、親とスキンシップをとることで、自律神経が安定します。寄り添って読み聞かせをすることで、子どもに安心感と自己肯定感を与えることができるのです。
添い寝や抱っこをして、親子共にリラックスした状態で読み聞かせを楽しみましょう。
メリットもある「演じ分け」
生後5~6カ月頃から、赤ちゃんは感情表現が豊かになっていきます。また、この頃から親の表情を読み取れるようにもなってきます。
そのため、親が表情豊かに演じ分けをすることで、赤ちゃんの表情認識能力を高める効果が期待できるのです。
さらに、親が楽しみながら読み聞かせをすることで、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が促されます。セロトニンは、心身の安らぎに影響を与える物質です。
過剰な「演じ分け」はやはりおすすめできませんが、適度に取り入れることで、親も子どももリラックスして読み聞かせを楽しめるようになるでしょう。
親子で楽しむことを忘れないで
演じ分けは、子どもの自由な想像力を妨害してしまう可能性があります。しかし一方で、口調や表情から親の感情を読み取る能力を育むというメリットも存在します。
過剰な演出はNGですが、あまりにも淡々とし過ぎているのも、子どもが飽きてしまう原因に。一番大切なのは親子で絵本を楽しむことですから、杓子定規に考えず状況に応じた読み聞かせを探ってみてはいかがでしょうか。