放任保育と混同されがちな自由保育ですが、一斉保育との違いはご存じでしょうか?子どもの主体性や自主性が養われるとされる自由保育とは一体どんなものなのか。自由保育を実践する幼稚園のメリットやデメリット、一斉保育との違いについてみていきましょう。
自由保育は放任ではありません
自由とは、自分の選んだことができるということ。際限やルールがないわけではなく、自主性や主体性を大切にした環境で保育することを自由保育といいます。子どもが決められた範囲で主体性を持って行動することが重視され、保育者は見守り、サポートするという姿勢が基本です。そのため、保育者には高度な能力が求められます。
一方、放任は子どもを放ったらかしにすること。単なる甘やかしともいえるでしょう。
自由保育と一斉保育の違いは?
大きな違いは、主導と主体がどこにあるかです。自由保育では、主導・主体はどちらも子どもにあります。一斉保育の主体も子どもですが、主導はあくまで保育者。何をするか・いつするかなどは保育者が決定します。
たとえば自由保育では、子どもたちは決められた時間のなかで、それぞれ自分のやりたい遊びをします。友達とルールを決める、おもちゃを譲り合うなどは、子どもたち同士で考えながら遊ぶのが基本です。
一方、一斉保育では保育者がカリキュラムを決め、子どもたちはその範囲で自由に工作やお絵かきなどをします。大きな画用紙を保育者が広げ、「みんなで絵を描いてみましょう」というのが一斉保育です。
子どもの主体性が養われる
また、子ども同士がお互いを認め合うことで、相手の立場に立って考えられるようになることも期待できます。
保育者が直接干渉することが少ないため、子ども同士のかかわりが自然と増えるのも特徴。遊びのなかでコミュニケーション能力も鍛えられるでしょう。
保育者の能力次第
自由保育では、子どもたちはみな、それぞれの考えでそれぞれ好きな行動をしています。保育者は全員の行動を把握し、困っていることはないか、サポートの必要はないか、と目を配る必要があります。
また、自由保育の現場では一人ひとりの子どもの要求にきめ細かく対応する必要もあります。保育者のスキルが不足していると、全員の発達や成長をうまくサポートできない可能性があります。
観察力やコミュニケーション能力など、保育者には高い能力が求められるのです。
園の方針をチェックしてみましょう
一方、一斉保育にも、同じことをみんなで協力して行うことで、協調性が育まれるという利点があります。目標と達成度がわかりやすいという面も。
また、一斉保育・自由保育の折衷型を実践している園も多いようです。幼稚園の教育方針をしっかりチェックして、お子さまの性格やご家庭の方針に合わせて検討してみてはいかがでしょうか。