子どもが読書好きになると、どんな効果があるのでしょうか。文字を読むことで語彙(ごい)力がつき、想像力や知識もアップ。また国語力も自然につくなど、読書にはさまざまな効果やメリットがあります。ぜひお子さまに読書の習慣をつけてあげましょう。
読書が子どもに与える影響
本の中にはさまざまな世界が広がっています。読んでいる間はその世界の中に入って、自分で想像しながら読みすすんでいくもの。日常とは違う世界をたくさん経験することで、想像力が養われます。
また文章を読んで内容を理解する力がつくと、あらゆる教科学習の基礎となる国語力をつけることが可能に。分析的な思考力が身につき、文章を書く能力もアップします。
他にも集中力がつく、ストレスが軽減される、コミュニケーション能力の向上などが期待できます。本を読むことで作者の考え方やいろいろな表現を知ることができ、自分の世界観を広げるきっかけに。
読書が好きな子どもは本からたくさんの知識を得ることで、自分の頭で考える習慣を身につけているそうです。小さいうちからの読書習慣は、大人になって社会で働くうえでも大きな影響があると言えるでしょう。
1日の読書時間はどのくらいがベスト?
高得点~平均点が取れる子どもの読書時間は、1日30~60分未満がいちばん多いという結果に。次に多いのは1日15~30分未満、その次が0~15分未満でした。意外にも1日2~3時間未満を読書時間にあてている子どもは、30分未満の子どもより少ないようです。
1日の読書時間が多ければ良いというものではなく、適切な時間があることがわかります。1日30~60分程度の読書時間を習慣づけることが、学習とのバランスを取るうえでも大切。その子にあわせて続けやすい時間の長さからはじめてみることが重要なのかもしれません。
子どもの読書でも電子書籍はあり?
【電子書籍のメリット】
電子書籍の良いところは、たくさんの本を置いておく場所が必要なくなることです。興味がある作品を気軽にダウンロードできるので、さまざまなジャンルの書籍を読むことが可能に。ダウンロードしておけば、いつでもどこでも読みたいときに読むことができます。
実際の本だと分厚さだけで読むのをためらってしまうときも、電子書籍だと厚みを気にすることがありません。余計なことを考えず読みすすめられるのもポイントです。
【電子書籍のデメリット】
デメリットは、画面の明るさを調整しないと目が疲れること。明るさを下げておくと目の負担も少なくてすみます。長時間見続けないように、ときどき休憩をさせながら読むように促しましょう。
また、タブレットで読むのには向いていない書籍もあります。ビジネス書や小説、漫画などは向いていますが、技術書や画集などは不向き。じっくり読む、参考になるページをペラペラめくって探すなどは、紙のほうが向いていると言えるでしょう。
紙の本には手触り・紙のにおい・紙の質感があり、読書体験とセットになって記憶に残り続けます。電子書籍は便利な反面、ときめく装丁と楽しい読書の記憶に出会えないという面も。状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
文字嫌いの子どもに読書をさせるコツ
・たくさんの本を手に取りやすい環境を作る
・普段の疑問を、本を通して調べるように促す
・読み聞かせをする
・親が読書をする
本がいつでも手に取れる環境を作ってあげることで、まずは本に興味を持たせてあげましょう。重要なのは、無理やり読ませないこと。年齢にあわせて読みやすさを考えて選び、子どもが自分から読みたいと思うことが大切です。
また、普段の生活で子どもは親に質問をしてくることが多いもの。その質問にすべて答えるのではなく、子どもが自分で考えたり調べたりするように促してみてください。「この本を読んでみたらどうかな?」と導くと、自発的に読むきっかけになります。
小さい頃から親が読み聞かせをするというのも方法のひとつ。絵本なら子どもから「読んで」と持ってくるはずです。気に入れば自分で引っ張りだして読むようになるので、就学前のお子さまにおすすめ。
効果的な読書の仕方
もし子どもが読みはじめた本に興味を示さなくなった場合、その子にとってはまだ難しかったのかもしれません。いったんその本は置いておき、もう少し簡単な内容のものにかえてみましょう。難しい本を読むために読書をするのではなく、本はあくまでも好きで読むスタンスに。
集中して本が読める環境も大切。テレビなどの雑音がなく、ゆっくりと本に没頭できる場所を確保してあげることが必要です。
筆者がおすすめする子どもが読書好きになる本
0歳から読みたい絵本
著者 :安西水丸(作)
出版社 :福音館書店
各駅でいろいろ乗せてあげるのですが、汽車はひたすら「がたんごとん」とすすんでいきます。絵のかわいさやシンプルさは、子どもが本棚ですぐ見つけられるでしょう。
はじめての読み聞かせにおすすめです。
3歳頃から楽しむ絵本
著者 :長谷川 義史(作)
出版社 :絵本館
この絵本は、おじいちゃんの口ぐせ「いいから、いいから」にのせて、ゆるーく物語がすすんでいきます。ついつい真似したくなる言葉の響きも、子どもが楽しめるポイント。
おじいちゃんのおおらかさは、毎日せかせかしていると「はっ」とするところも。すこしゆったりした気持ちで、子どもに読み聞かせてあげたくなります。
3巻まであるので、シリーズで楽しんでみてください。
5歳頃から楽しめる絵本
著者 :トロル(作)・トロル(絵)
出版社 :ポプラ社
おしりたんていが相棒のブラウンと謎を解明していくのですが、随所につっこみどころ満載。迷路でおしりを探したり、犯人の手がかりを見つけたり。登場人物もくせのある人たちばかりで、キャラクターの愛らしさもこの絵本の魅力です。
小学生になっても親子で楽しめる一冊。たくさんシリーズがあるので、お気に入りのものを数冊そろえてもいいかもしれません。
読書をもっと身近なものに
読み聞かせなどで本が好きになる機会を作ってあげれば、読書を通してさまざまな経験をすることができます。
文字が読めるようになったら、図書館で自由に子どもに本を選ばせてあげましょう。お気に入りの本が見つかれば、家で何度も読めるように購入しても良いかもしれません。
読書習慣を身につけることは、人生を豊かにします。読書をもっと身近に取り入れてみてはいかがでしょうか?