毎日のように繰り返される兄弟喧嘩に、疲れてしまっているパパママも多いのではないでしょうか。兄弟喧嘩に親はどのように対処すれば良いのでしょう?兄弟喧嘩の持つ意味や、親の対応・仲裁の方法について一緒に考えてみましょう。
兄弟喧嘩は悪いこと?
喧嘩は大人から見れば単純なバトルのように感じられますが、子どもにとっては、コミュニケーション手段のひとつです。自分の気持ちを伝えるほか、相手の意見を聞くことなどを、喧嘩をすることを通じて身につけていきます。自分や他人の強みや弱みに気が付き、自分と相手との違いを知って対処法を学ぶことで、社会性が育まれるでしょう。
兄弟喧嘩をすることは、ごく自然な行為です。子どもたちで解決法を見つけられるようになることが学びにつながります。ある程度の時間は見守り、大人が必要以上に干渉をしないようにしましょう。
しかし、暴力の放置や、ケガをしそうな状態でも見ているだけ、となると問題です。ケガの危険性がある場合はすぐに大人が仲裁に入り、喧嘩をストップさせましょう。
兄弟喧嘩によくある原因
・相手のおもちゃや本を勝手に使った
・お兄ちゃんだから(またはお姉ちゃんだから)という理由でお菓子を多く取った
・貸したものを返してくれない
・ソファで座る場所の取り合い
などがよくある喧嘩の原因の具体例です。遊びの延長で喧嘩が勃発することもしばしば。大人であれば、ほんの少し相手に譲る心や許す心で対処すれば、揉め事にならないようなことばかりです。
子どもの場合は、気持ちを伝え理解する能力や、譲る・許すというような気持ちをコントロールする能力が未熟。がまんできずに主張を押し付け合い、喧嘩に発展してしまうのです。
兄弟喧嘩に親はどう対処する?
基本的に、ある程度の時間は親が口出しをせずに行方を見守ります。子ども同士で対処できなくなった場合は、親が仲裁に入ると良いでしょう。
喧嘩の原因を探る
喧嘩の様子を見ていてもその原因がつかめない場合は、子どもを別々に呼んで、原因を聞いてみましょう。二人同時に呼んで聞くと再び喧嘩が勃発する可能性が高いため、落ち着いて話ができるよう分けて話を聞きます。
子どもは感情がヒートアップしていると、喧嘩の原因を忘れてしまっていることもあります。落ち着いて喧嘩の原因を聞くことは、子どもの感情の高ぶりを鎮めることにもつながります。
仲直りの仲裁をする
子どもの話を聞いて、どういう気持ちだったかを確認し、子どもがうまく言葉で説明できない場合には親が代弁してあげることも必要です。お互いが自分の非を認められるように導いてあげましょう。
ルールを決める
たとえば、
・ものを投げたり、たたいたりしない
・相手をたたく・蹴る・引っ張る・首を絞めるなどの暴力行為をしない
・ゲームの取り合いなどで喧嘩になった場合は、二人ともゲームを1週間禁止
など、その家庭で起こりがちな内容を踏まえた「我が家ルール」を完成させましょう。
子どもと一緒に考えることで、守ろうという意識も強くなります。
兄弟喧嘩を仲裁するときにしてはいけないこと
上の子どもを頭ごなしに叱る
上の子どもが怒っていることにも理由があるはずです。頭ごなしに「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」などと言っては、子どもは愛情の与えられ方が不平等だと感じるようになってしまいます。
長男・次男、長女・次女の差をつけずに接することが大切です。
激しい口調で子どもを責める
また、大人が激しい口調で子どもを責めると、子どもは委縮してしまい本当のことが言えなくなる可能性も。
喧嘩の仲裁は難しく、大人もイライラしてしまいがちですが、深呼吸して気持ちをコントロールすることを見せてあげるのも子どもにとって良い勉強になります。
子どもの言い分を聞かずに怒る
子どもの言い分をしっかり聞いてあげるだけでも、子どものイライラした気持ちが治まり、素直に謝れるようになることがあります。
謝罪を強要する
謝ることに意味があるのではなく、反省した気持ちを伝えることが大切。強制的に謝らせたのではそこに子どもの心はこもっていないと言えるでしょう。
子どもがきちんと反省し、本人が謝罪したいと思えるようであれば、「○○ちゃんに謝る?」と促してあげます。
兄弟喧嘩には冷静な対応を
毎日の喧嘩の様子を見ていると、親のほうが疲れてしまいます。兄弟喧嘩は子どもが社会性を学ぶチャンスなので、親は一歩引いた冷静な気持ちで対処できるように努めましょう。