小学校受験では、手先の器用さを見るための「巧緻性(こうちせい)」の考査があります。ハサミやのりを使う、紙をちぎる、ひもをむすぶ……さまざまな考査方法があります。巧緻性は一朝一夕にあらず!vol.17では手先を使った工作の問題を自宅でどう指導するかについてです。
「巧緻性」の問題とは?
いきなり漢字テストみたいですが、なかなか普段使う言葉ではないのではないでしょうか?ママミーヤもお受験準備に取り組んではじめて使った言葉でした……。
要するに手先の器用さが問われる問題です。お受験は単にお勉強ができればよいわけではなく、運動能力や大人への応対の仕方、子ども同士のやりとり、そして今回の手先の器用さなどわずか6年ほどの人生でどれだけのことを親が経験させてやれているかを問われているような気がしています。
どんな問題が出題されるか
1.お手本が示されてそのとおりに作る
2.与えられたテーマに沿って作る
一朝一夕に仕上がらない「巧緻性」
しかし、毎日練習していくと精度がどんどん上がっていきます。あきらめずにやり抜く親の忍耐力が試されるところですね。
わが家でやった基礎訓練
観察してみたところ、お受験の巧緻性で求められる水準に達するには基礎訓練が重要だということを感じたので、以下の訓練を毎日の取り組みの中に混ぜました。
1.ちぎり
特に筑波大学附属小学校の考査で課される工作ではハサミを使わないため、「ちぎり」の技能が求められます。両手の親指同士をちぎる線にしっかり合わせて少しずつちぎっていきます。まずは正確にちぎれるように練習し、その後タイムを記録して早くちぎれるようにしていきます。
まる・さんかく・しかくの図形や、直線・ジグザグ線などの課題はパソコンで制作してたくさんコピー。1日1枚以上ちぎることを日課にしました。コピー用紙はちぎりにくいので、練習には最適だと思います。
2.モールをねじる
3.ハサミで切る・のりで貼る
まず、ハサミで切る紙の種類をいくつか用意。たとえば折り紙は細長く切って、画用紙に描いた女の子の髪の毛にして、のりで貼り付けました。
画用紙を切る練習をするときは、切ったものを使って立体物を作ったり、画用紙の土台に貼り付けたりしました。
また、コピー用紙に女の子とバッグや帽子などの付属物を別々に描かせて切り取り、画用紙に重ねて貼り付けるということも。
ハサミとのりの練習に関しても、遊びの一環として取り組めるようにいろいろ工夫しました。
4.むすぶ
はじめはなかなか上手にできませんでしたが、蝶むすび練習のための道具の作り方とやり方を教えてもらい、それを使って練習しました。ラップの芯などを使った簡単な手作り道具ですが、何度でも練習しやすいのでおすすめです!
工作物の得意なパターンをいくつか作る
ミヤピーの場合は紙皿のみで作るお面、紙コップのみでつくる動物、お面と紙コップを組み合わせて作る動物は、何も言われなくても作れるように教えました。得意なパターンを考えるとき、平面から立体を作ったり変形する工程が含まれていて応用しやすいもの、をポイントにしました。
例を2つ紹介します。
紙皿で作るキツネ
紙コップで作るタコ
幼児の手と大人の手を比べない
そんなときに子どもの手をそっと両手で包んでみてください。とても小さい手です。指も短いです。肉付きもよくプニプニしています。この小さい手で細かい作業をすることはとてもむずかしいのです。
大人とは違うのです。でも、少しずつですが上手になります。
できてないときも作品の写真を撮ってみてください。毎日訓練していくとその変化は徐々に現れてきます。子どもの持つ能力は思っているよりも高いと信じてください。
巧緻性の訓練もそうですが、小学校受験のための訓練や勉強では、親の忍耐力が何よりも大切なのです。お子さまが一生懸命取り組む姿を、温かく見守ってくださいね。