2019年の干支は「いのしし」。猪突猛進という言葉どおり、なにごとにもまっすぐでパワフルなイメージの動物ですが、お子さまにはあまり馴染みがないかもしれません。この機会に、いのししに注目してみてはいかがでしょう。お子さまが楽しめるいのししの絵本をご紹介します。
干支に興味を持つきっかけに
著者 :五味 太郎(作)
出版社 :クレヨンハウス
「猪突猛進」という言葉がピッタリで、とにかく一直線につき進むいのししくん。まるで前しか見えていないようですが、じつは意外と周りも見えているのです。
最後のオチがなんとも秀逸。ぜひ実際に絵本を手に取り、五味太郎ワールドにひたってみてください。
小さなお子さまにとって、「干支」を意識することはあまりないかもしれません。この絵本シリーズを読むことで、干支に興味を持つきっかけになりそうです。
動物と人間のかかわり方を考えさせられる
著者 :室井滋(文)、長谷川義史(絵)
出版社 :世界文化社
どんな動物も、赤ちゃんのころは小さくてかわいいもの。しかし動物によっては成長とともにかなり大きくなり、飼うのが大変になることもあります。いのししもそんな動物のひとつです。
この絵本は、実話をもとに女優の室井滋さんがストーリーを書いています。かわいいいのししの子ども、ウリオを家で育てていた家族。でもウリオはどんどん成長し、やがて家の中では飼いきれなくなるほどに大きくなりました。
すると、あんなにかわいがっていたウリオを、家族のみんなはだんだん邪険にし始めます。悲しくなったウリオは逃げ出してしまい……。
メディアなどでも、飼いきれなくなったペットを捨てる無責任な飼い主が問題になっています。この絵本を読むと、生き物を飼うことの責任の重さが伝わるはず。お子さまが改めて、人と動物の関係を考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
いのししの家族の様子がよくわかる絵本
著者 :福田 幸広(写真)、結城 モイラ(文)
出版社 :ポプラ社
これまでいのししにクローズアップし、その生活の様子を詳細に描いた絵本はあまりありませんでした。この絵本では、愛らしいうりぼうの兄弟と家族のほほえましい姿が、優しい文章と生き生きとした写真で表現されています。
またこの絵本のなかには、イノシシについてのちょっとした豆知識も書かれています。たとえば「うりぼう」の名前の由来や、いのししは大家族で行動することなど。いのししについてもっと知りたくなるでしょう。まだ字が読めない小さなお子さまも、かわいいうりぼうの写真を見ているだけで十分に楽しめそうです。
植物を育てているお子さまに
著者 :舟崎靖子(作) 奈良坂智子(絵)
出版社 :偕成社
いのししは動物たちから預かった種を大切に育てて、きれいな花や実にしています。ある日いのししは、とかげから種を預かりました。でもなかなか芽が出ず、困り果てたいのししはとうとう寝込んでしまい……。
困っているいのししを助けようと奮闘する動物たちの様子に、心が温まります。友達のすばらしさが伝わるのではないでしょうか。また、おうちで植物を育てるお子さまにもおすすめの作品です。大切に種を育てるいのししの姿は、きっと心に響くでしょう。
絵本に親しむきっかけに
著者 :きむらゆういち(作)、ふくざわゆみこ(絵)
出版社 :ポプラ社
そんないのししくんの姿に、お子さまはきっと共感を覚えるでしょう。いのししくんの気持ちになって、一緒にどきどきハラハラしながら一気に読み進めることができそうです。
しかけ絵本になっているので、読み聞かせが苦手なお子さまも気軽に楽しめます。
いのししの絵本で好奇心をうながして
これらの絵本をきっかけに、今まで注目することのなかったいのししに興味がわくかもしれません。「知らなかった世界を知る」楽しさを味わうことで、お子さまの好奇心を伸ばしてあげましょう。