受験を前にしたときに耳にする「偏差値」という言葉。そもそも偏差値とは何を指す数値で、テストの得点とは何が異なるのでしょうか?正しい偏差値の出し方、志望校の偏差値は何を意味しているのかなど、偏差値にまつわる基礎知識をご紹介します。
偏差値とは何か?
点数以上に学力の判断基準となるわけ
たとえば80点得点が取れた模擬テストがあった場合に、平均点が60点であった場合と、平均点が82点であった場合。それぞれ得点である80点の持つ重要度が異なります。点数というのは単純に「何点とれたか」という数字ですが、偏差値は自分が受験者全体のうち、どの程度の位置にいるのかという「順位」に関わる数値です。
つまり平均点を取ったら偏差値は50となり、一般的なテストを受けた場合、ほとんどの人の偏差値は25~75の間に収まるとされています。自分がテストで取った点数が平均点よりも上回ると、比例して偏差値も60・70・75というように、上回った分だけ偏差値も高くなるでしょう。反対に平均点を下回ると、その分だけ偏差値も低くなります。
偏差値は平均との差を示す具体的な目安。難易度の異なる別々のテストをした場合、得点にそれぞれ高低があったとしても、共通の判断指標として使用できるということです。
偏差値が高いとどれくらいすごいのか
上記の例の場合、偏差値70は全体の2.3%程度しかいません。実際に偏差値70の大学といえば、国公立理系の医学部レベルに多く見られます。
偏差値の見方、とらえ方
模試の母集団に注意
受験の際には、県内や全国区などさまざまな集団での比較が必要になるでしょう。より大きな模試を受け、できるだけ正確なデータで自分の偏差値を知っておくことをおすすめします。偏差値は気になる数値ですが、同時にその模試を受けた母集団がどのくらいの人数・どのくらいの規模で開催されたものなのかという点も、留意しておくことが大切です。
偏差値の求め方
正規分布の重要性
たとえば、とても成績優秀なグループと、成績が振るわないグループを合わせて同じテストを行うとします。点数の分布をグラフに示すと、フタコブラクダのこぶのように、山が2つできる結果になるはず。そのようなグラフは正規分布とは言えず、偏差値を出しても正確な数値は分かりにくいため利用価値が薄くなります。
正規分布をチェックする際に、山の幅(数値のばらつき)のことを標準偏差と言いますが、標準偏差が極端に小さい場合もまた、正確な偏差値が読み取りにくくなります。
志望校の偏差値はどのように算出されるの
・結果偏差値
過去にその高校や大学に合格した人を対象に、模試で生徒の偏差値がどのくらいあれば、その学校に合格できるかを数値化したものです。80%合格値といって「その偏差値だった生徒の8割が合格した数値」を、学校の偏差値として公表しているデータもあります。
・予想偏差値
模試を受ける際、受験生の書く志望校データをもとに、受験者の成績や入試の定員などを考慮して各学校の合格偏差値を予想したものです。データの出し方は、算出する塾や予備校などによってさまざま。どの程度正確なデータかは、計算しているところの技術にゆだねられる部分が大きいでしょう。