2019年01月07日 公開

偏差値とは何?知っているようで知らない偏差値の基礎知識

受験を前にしたときに耳にする「偏差値」という言葉。そもそも偏差値とは何を指す数値で、テストの得点とは何が異なるのでしょうか?正しい偏差値の出し方、志望校の偏差値は何を意味しているのかなど、偏差値にまつわる基礎知識をご紹介します。

受験を前にしたときに耳にする「偏差値」という言葉。そもそも偏差値とは何を指す数値で、テストの得点とは何が異なるのでしょうか?正しい偏差値の出し方、志望校の偏差値は何を意味しているのかなど、偏差値にまつわる基礎知識をご紹介します。

偏差値とは何か?

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中学受験や高校受験を控えたときに、必ずと言っていいほど受験生の間で話題になるのが「偏差値」です。点数よりも重視したほうが良いと言われるのには、どのような理由があるのでしょうか?偏差値が高いことはどのようなことを意味するのか、解説していきます。

点数以上に学力の判断基準となるわけ

偏差値とは「同じ試験を受けた受験者のなかで、自分が順位的にどのあたりにいるのか」ということを示す数値です。単純にテストが50点だから偏差値50というように、点数とイコールになるわけではありません。

たとえば80点得点が取れた模擬テストがあった場合に、平均点が60点であった場合と、平均点が82点であった場合。それぞれ得点である80点の持つ重要度が異なります。点数というのは単純に「何点とれたか」という数字ですが、偏差値は自分が受験者全体のうち、どの程度の位置にいるのかという「順位」に関わる数値です。

つまり平均点を取ったら偏差値は50となり、一般的なテストを受けた場合、ほとんどの人の偏差値は25~75の間に収まるとされています。自分がテストで取った点数が平均点よりも上回ると、比例して偏差値も60・70・75というように、上回った分だけ偏差値も高くなるでしょう。反対に平均点を下回ると、その分だけ偏差値も低くなります。

偏差値は平均との差を示す具体的な目安。難易度の異なる別々のテストをした場合、得点にそれぞれ高低があったとしても、共通の判断指標として使用できるということです。

偏差値が高いとどれくらいすごいのか

偏差値が高いということは、それだけ平均的な人よりも高い学力を持っている、受験生全体のなかでは上位にいることが相対的に分かるでしょう。数学的な理論上の数値になりますが、受験者数が1,000人いた場合、偏差値50~60の間に全体の34.1%の人が収まります。偏差値70と聞けば、なんとなく「頭の良い人」というイメージを抱きませんか?

上記の例の場合、偏差値70は全体の2.3%程度しかいません。実際に偏差値70の大学といえば、国公立理系の医学部レベルに多く見られます。

偏差値の見方、とらえ方

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偏差値は平均と客観的に比較するのに役立ち、入試の際に志望校の合否を予想する判断基準になります。しかし数値をうのみにしすぎると、本来の意味を読み間違えてしまうことがあるので注意しましょう。

模試の母集団に注意

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偏差値を読み解く場合には、その試験を受けた母集団に注目してみてください。人数が少なければ正確なデータは出にくくなります。学力テストを受けた人が校内の生徒だけに絞られている場合、校内での成績順位に過ぎません。

受験の際には、県内や全国区などさまざまな集団での比較が必要になるでしょう。より大きな模試を受け、できるだけ正確なデータで自分の偏差値を知っておくことをおすすめします。偏差値は気になる数値ですが、同時にその模試を受けた母集団がどのくらいの人数・どのくらいの規模で開催されたものなのかという点も、留意しておくことが大切です。

偏差値の求め方

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テストの偏差値や、志望校の偏差値はどのように計算されているのでしょうか?偏差値を求める仕組みを知っておけば、自分の学力として出された偏差値の読み解き方が分かるようになります。

正規分布の重要性

偏差値を出すためには、得点分布のグラフを付けます。そのグラフの形が非常に重要です。偏差値を出す基準になるグラフは、正規分布やガウス分布と呼ばれるような、平均値付近に数値が集積するようなデータ分布を表さなければなりません。一番人数が多い部分である中央値が、高くなめらかな山状に表されたものが正規分布です。

たとえば、とても成績優秀なグループと、成績が振るわないグループを合わせて同じテストを行うとします。点数の分布をグラフに示すと、フタコブラクダのこぶのように、山が2つできる結果になるはず。そのようなグラフは正規分布とは言えず、偏差値を出しても正確な数値は分かりにくいため利用価値が薄くなります。

正規分布をチェックする際に、山の幅(数値のばらつき)のことを標準偏差と言いますが、標準偏差が極端に小さい場合もまた、正確な偏差値が読み取りにくくなります。

志望校の偏差値はどのように算出されるの

志望校の偏差値を考える場合には、結果偏差値と予想偏差値の2種類があることに気を付けましょう。

・結果偏差値
過去にその高校や大学に合格した人を対象に、模試で生徒の偏差値がどのくらいあれば、その学校に合格できるかを数値化したものです。80%合格値といって「その偏差値だった生徒の8割が合格した数値」を、学校の偏差値として公表しているデータもあります。

・予想偏差値
模試を受ける際、受験生の書く志望校データをもとに、受験者の成績や入試の定員などを考慮して各学校の合格偏差値を予想したものです。データの出し方は、算出する塾や予備校などによってさまざま。どの程度正確なデータかは、計算しているところの技術にゆだねられる部分が大きいでしょう。

得点と偏差値の違いを理解しよう

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勉強してテストの得点が良いと嬉しくなってしまいますが、得点と同時に考えるべきは平均点。その数値の差を客観的に示したものが偏差値です。母体の大きな模試を受けて、自分のより正確な偏差値を知ることで志望校の選定に役立てましょう。

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この記事のライター

コバヤシ トモコ
コバヤシ トモコ

奈良県出身/フリーライター/週末釣り部/海と釣りが好き/ 優しいダンナ君と優しい中学生の双子男子のステップファミリー