指定国立大学とは、将来、世界最高水準の教育研究活動が見込まれることを文部科学省から認定された6校をいいます。その使命は日本の枠組みから飛び出し、海外の大学と対等な競争力を持つこと。では指定国立大学の6校とはどこなのでしょうか?指定理由とともにご紹介します。
指定国立大学とは?
2017年6月30日付けで3校、2018年3月20日付けで2校。そして2018年10月23日付けに1校の、計6校が指定されました。現在指定されている国立大学は、登録順で以下の通りです。
・東京大学
・京都大学
・東北大学
・東京工業大学
・名古屋大学
・大阪大学
どういう大学が選ばれるの?
指定国立大学に期待される役割とは?
国立大学法人東北大学
なかでも世界的注目を浴びている「災害科学」のほか、「材料科学」「スピントロニクス」「未来型医療」が特に伸びている研究分野とされています。
学内の組織改革にも積極的に取り組み、産学連携研究による研究費の戦略的な創出、公正かつ迅速なアカデミックガバナンス体制を基にした機能の強化など、大学経営面でも高い評価を得ています。
国立大学法人東京大学
東京大学は単なる勉学の場を超えて、「地球と人類社会の未来に貢献する場」にすべく大学改革を推進しています。2017年には構想を具体的に推進していくための「未来社会協創推進本部」を設置。日本のシンクタンクとしての役割にとどまらず、世界の課題へ取り組もうとする社会貢献度の高い姿勢が評価されました。
「健康・医療」「エネルギー、気候変動、資源循環」「経済格差、ジェンダー平等」分野において研究力の強化を図っており、日本のみならず世界の大学改革の推進役として期待を背負っています。
また大学経営へ対する自己調査・分析の仕組み、財政基盤強化の計画も注目されました。
国立大学法人京都大学
学術的研究成果を活用し、社会貢献につなげる産学連携体制の構築にも積極的。米国大学のような総括副学長(プロボスト)制を取り入れ、ガバナンス体制の強化を図っています。若手教職員を含む大学内のさまざまな意見を取り入れる仕組みなど、学内全体で大学の未来を作り上げていく姿勢を持つ大学です。
国立大学法人東京工業大学
大学全体の取り組みとして、世界と渡り合えるグローバル人材を育成するとともに、大学教育のグローバル展開力の強化を目指しています。留学生の受入体制を整えた、英語による学位プログラムの制定も特徴的です。
経営面では、田町キャンパスを再開発し複合ビルを建設するほか、子会社設立によって共同研究に関わる教員を対象としたクロスアポイントメント制度を採用するなど、財務基盤の強化を目指しています。
国立大学法人名古屋大学
名古屋大学の掲げる「マルチ・キャンパス」構想はとてもユニークな取り組みです。マルチ・キャンパスとは、地域の国立大学間の壁を取り払い、1つの法人として運営していくという新たなシステム。これにより、各大学の強みに応じた教育研究機能の強化や、安定した資金の調達、国際競争力の強化を目指しています。
国立大学法人大阪大学
教育研究では「免疫学」「生命医科学融合」「共生知能システム」「光と物質の科学」が重点分野となっています。教員の論文被引用数、外国人教員の比率に具体的な目標を挙げていることも特徴です。