「全国学力・学習状況調査」という言葉をご存知ですか?これは小6・中3の児童を対象に全国で一斉に行われる学力テストのこと。同学力テストで秋田県は、10年連続トップという輝かしい記録を残しています。そんな秋田県の授業には、どのような工夫があるのでしょうか。
そもそも「全国学力・学習状況調査」って?
「全国学力・学習状況調査」とは、文部科学省が平成19年度から実施している、全国の小中学校に通う子供たちの学力状況を把握するための一斉学力テスト。一般的には「全国学力テスト」という呼び名で呼ばれています。
このテストは全国の小学6年生と中学3年生全員を対象として行われており、教科は国語と算数(数学)です。平成24・27・30年度の調査では、理科も追加されました。学力判定だけでなく、生活習慣や学校環境に関する質問紙調査も同時に行われます。
調査結果は国全体や各都道府県、自治体別で公表され、学力調査という面だけでなく、教育施策の成果と課題の検証、改善に役立てられてきました。いわば教育機関の成績表のような役割も果たしていると言えるでしょう。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/
全国学力テスト開始から10年間、常にトップの秋田県
全国学力テストでは毎年、県別のランキング表がメディアをにぎわせます。驚くべきは秋田県の順位で、全国学力テスト開始以来、平成11年度の未実施を除いた10年間、常にトップをキープしているのです。回答の平均正答率が全科目で全国平均を上回るほか、全科目トップ3に入る成績をおさめています。
秋田県の成績がメディアや教育関係者から注目を集めているのは、正答率の高さだけではありません。秋田県は「問題に対する無解答率がきわめて低い」という結果が出ています。答えが間違っているかもしれないと感じる場合でも、積極的に回答していける発信力があるとわかるでしょう。
秋田県の授業内容とは
秋田県が毎年、全国学力テストで驚くべき結果をキープし続けているのには理由があります。秋田県の授業スタイルは、教師が一方的に生徒に答えを解説するのではありません。小学校の段階から生徒同士で話し合い、結論を引き出すという授業に重きを置いています。
生徒の発言が正しいとされる回答ではなかった場合でも、教師は徹底してフォロー。どのようにしたら正解に近づくのかを一緒に考えていきます。最近になって「アクティブラーニング」の取り入れが教育現場で行われるようになってきていますが、まさしく秋田県の授業スタイルはこの模範でしょう。
少人数制もポイント?
秋田県は県の教育に対する取り組みとして、少人数学習を取り入れていることも大きなポイント。小学校1~3年生や中学校1年生は、基本的な生活習慣や安定した学校生活を確保することに重きを置くために、30人程度の学級編成です。
しかし学習内容が複雑になってくる小学校4~6年生および中学2~3年生は、基礎学力の定着と向上のため、20人程度に生徒数を減らす取り組みを行っています。