子どもに理科や科学への興味を持たせるには、自然科学に対する「なぜ?」という気持ちを育てることが大切だといわれています。家庭でできる簡単な実験を通して、子どもの探求心を引き出してみましょう。今回は、さかさまにしても落ちない不思議な水の実験をご紹介します。
【さかさまにしても落ちない水】どんな実験?
でも、厚紙でコップにフタをしてみると……?不思議なことに水はまったくこぼれません。
手品のような実験結果に、子どもたちも大喜び!
厚紙でうまくいったら、今度は目の細かいふるいでフタをしてみましょう。水はどうなるでしょうか?
実験に必要なもの
・コップ
・ボウルまたは洗面器
・厚紙またはハガキ
・ふるい
実験方法
厚紙でフタをする
ふるいでフタをする
なぜ水はこぼれないの?
1つは、「大気圧」という力がはたらいたからです。
大気圧とは、空気中ではたらく圧力のこと。
空気中にあるすべての物体は、空気によって四方八方から押されています。
ひっくり返されたコップのフタの部分でも、大気圧がはたらき、水を押し上げているのです。
もう1つの理由は、水の「表面張力」です。
表面張力とは、液体ができるだけ小さく丸くなろうとする力のこと。
水滴が丸まった形になるのは、この表面張力がはたらいているからです。
厚紙やふるいでフタをした部分には、表面張力がはたらき、水を内側に引っぱり上げようとします。
大気圧と表面張力、2つの力が作用することによって、水が落ちようとする重力よりも、水を引っぱり上げようとする力が強くなり、水がこぼれなくなるのです。
実験のコツ
わが家の長女は、「他の網状のものでもフタにできるのか」と、キッチンからザルやあく取りを取り出して試していました。
「コップをななめに傾けるとどうなる?」「厚紙やふるい以外でもフタができる?」など、親子で一緒に試してみると盛り上がりますよ。
「おうち実験」で子どもの自然科学への好奇心を養おう!
シンプルな実験ですが、目には見えにくい空気や水の力を体感できます。
必要な材料も少なく、短時間で簡単にできる実験なので、ぜひ気軽に取り組んでみてくださいね。