人前では声が小さくなるお子さまも多いですよね。挨拶や発表、当番など、大勢や初対面でも、子どもが大きな声でハキハキ話せるようになるために、親の関わり方や、サポート内容についてまとめました。話し方よりも内容に注視するなど、注意点や声かけ方法もお伝えします。
子どもの声が人前で小さくなるのはなぜ?
それでも幼いうちは親がカバーしてあげられますが、挨拶をはじめ、幼稚園や保育園のクラスでの発表、当番など、人前で話をしなければならない機会はどんどん増えていきます。大学生や社会人になると、大きく明瞭な声はプレゼンテーションで強みになってくるでしょう。
小さい声で話してしまうのは、おとなしく消極的な性格であったり、自己表現が苦手なお子さまに多いようです。
また、精神面や体力面の不調で元気がなかったり、落ち込んでいたりする場合も、一時的に声が小さくなることもあります。
幼いころは恥ずかしがることがなかったのに、大きくなるにつれて、急に人前で恥ずかしいと感じて小さな声になる子もいます。成長の過程で、他者を意識しはじめ「なにか変なことを言って笑われないか」「自分の考えは正しいのか」などと不安になり、話すことに自信がなくなるからでしょう。
さらに外出先で「大きな声ではしゃがないで!」「大声を出さない!」と怒られたり注意されたりすることが多いので、いざ話すときに、どのようなボリュームで声を出して話せばいいのかそもそもよくわからないという理由もあるかもしれませんね。
ハキハキと大きな声で話すメリットは?
ボソボソ、モゴモゴ話していると、大切な内容がよく聞き取れません。ハキハキ話すことで、伝えたい内容がよりわかりやすく、印象に残りやすいというメリットもあります。
・明るく、元気な良いイメージを持ってもらえる
子どもに限らず大人でも、ハキハキと大きな声で話している姿を見ると、元気に見えます。ボソボソと話していると元気がなく消極的に見えてしまいがち。長く付き合っていれば他の長所にも気づいてもらえますが、第一印象ではあまり良いイメージは持たれません。
・気持ちが上向きになり、自信がつく
大きな声ではっきり話すと、自然に顔が上を向き、ポジティブに。自分に自信がつく効果もあるようです。落ち込んでいる時に大きな声で話すと気持ちが前向きになるという効果もありますよね。
人前でハキハキと大きな声で話せるようになるには?
まずは子どもの状態や気持ち、個性を受け入れる
ハキハキと大きな声で話すことができないという状況を一旦受け止め、子どもの気持ちに寄り添い、その理由をやさしく聞き出す、または推察することからはじめてみましょう。
話す内容に自信を持たせる
大好きなパパやママに、自分の話をしたら笑顔になったという経験を重ねることで、積極的に話をするようになります。その結果、話すこと自体への自信につながるでしょう。
また、うまく話せた内容は、祖父母や周囲の人々など、親以外の親しい人にも伝える機会を作ると良いでしょう。
日常生活で大きな声で話す機会を作る
嫌だと主張する、怒っていることを伝えるなど、または喜怒哀楽を強く表現したいときには叫ぶような大声になりやすいものですが、それとは区別し、大きな声ではっきり話す機会を作りましょう。
絵本を読むときに、大勢のお友だちに読み聞かせするように想定して、ハキハキと大きな声で読むように促してみたり、「いただきます」と「ごちそうさま」などの挨拶は、家族みんなで声を合わせて大きな声で言うなどのルールを作ったり。日常生活において自然な範囲で、続けることがポイントです。
自然と大声を出せる場所に連れて行く
スポーツ観戦もおすすめです。みんなが大きな声で応援したり、歓声をあげたりしています。楽しくなって、子どもがいつの間にかつられて大声を出すかもしれません。元気なお友だちと一緒に行くと、刺激を受けることもありますよ。
正しい口の動かし方を練習する
早口言葉の練習もおすすめです。
「カエルぴょこぴょこ三(み)ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ六(む)ぴょこぴょこ」
「にゃんこ こにゃんこ まごにゃんこ」
「あかパジャマ あおパジャマ きパジャマ」
など、子ども向けの親しみやすいものから、はじめてみましょう。
パパママがお手本になる
声がけでパパママが気を付けたいこと
また、パパママが子どもに対して「ダメ!」と否定するシーンが多いと、子どもは発言自体の評価を気にし、話すことを意識し過ぎて、怖いと感じてしまうことも。頭ごなしに否定せず、話を聞くというスタンスを心がけましょう。
その他にも、まずは子どもが何を話したいのかという内容に耳を傾けてみることも大事です。もごもごと話して何を言っているのか聞き取りづらいという問題の他に、話す順序がおかしい、知らない固有名詞や代名詞が多くて伝わらないという問題もあるかもしれません。
その上で、ハキハキとゆっくり大きな声で簡潔に話すと相手にもっと伝わりやすいことをさまざまな手段で教えてあげられると良いですね。
それぞれの個性に寄り添いながらサポートしよう
また、子どもが一度でも人前でハキハキと大きな声で話せたら、思いっきりほめてあげると、「自分にもできるんだ!」と感じて少しずつ変わっていくはずです。パパママは子どもの個性を受け止めて寄り添いながら、根気よく導いていけると良いですね。