手先の器用さが問われる「巧緻性(こうちせい)」。簡単に上達するものではないので、続けて練習を重ねていくことが大事です。でも、自宅でどのように対策していけばよいでしょうか?受験塾に通っていなかったわが家で、試行錯誤しながら取り組んだ内容をお伝えします。
巧緻性とは?
難しい漢字ですね。「こうちせい」と読みます。私自身、小学校受験の準備の中ではじめて知った言葉でした。
小学校受験の試験内容の中にはペーパーテストや面接だけではなくこうした試験もあるのです。
簡単に言うと「器用さ」です。
試験の内容から求められてるものを推測する
娘のミヤピーは塾に通っていなかったため、巧緻性の対策方法は親が考えなくてはいけませんでした。
ママミーヤは最初にいろいろな学校の試験内容などを確認し、何が求められているかを整理してみました。
パターン1:規定のものを作る
先生がお手本を作るのを見て、手順を覚え、同じものを作る課題です。
【求められる能力】
記憶力と、手早く求められているものを仕上げる処理能力が問われます。シーンをイメージして記憶しなければいけない「お話の記憶問題」が得意な子どもが、有利なように感じました。
パターン2:自由に作る
お題が与えられて、用意された材料を使って自由に制作を行う課題です。グループで制作をする場合もあります。
【求められる能力】
お題を形にする想像力が必要になります。また、グループで作業をする場合は、子どもたち同士でどのように関わり合っているかをチェックされます。
パターン1対策:「タイマー」の使い方を工夫
規定のものを規定の時間に作るためには、どんな練習方法がミヤピーに必要なのかを考えました。
ミヤピーは決して手先が器用ではありません。また、マイペースで急ぐということができない性格です。そのためタイマーを使って常に時間のチェックをしながら課題に取り組んでいました。
タイマーを使うことで、時間の感覚を身につけることができます。
よくあるタイマーは時間をセットしてカウントダウンするものだと思います。しかし、私は逆にボタンを押すと時間が1秒ずつ増えていく「カウントアップ」ができるタイマーを探して使いました。
カウントアップでも時間の感覚を身につけられます。しかも、自分の取り組みにどのくらい時間がかかっているのか、自分自身でしっかり把握することもできます。
実はカウントアップタイマーを使う前にカウントダウンのタイマーを使っていた時期もあります。ミヤピーの場合は、カウントアップのタイマーの方が時間の感覚を身につける効果がありました。
パターン2対策:イメージの世界を広げる練習
「ひらめき」というのはセンスの問題です。そのため対策しにくいと思われがちですが、子どもは元来自由な生き物です。
わが家では、楽しみながら想像力を広げられるようにまずは親子で対話をしました。
ある日のママミーヤ親子の会話
私「魔法の靴があるんだって。どんな靴だと思う?」
ミヤピー「お空を飛べるとか……」
靴は移動に使うツールである、というところから抜け出せていません。
私「魔法だよ?もっといろんなことができるんじゃない?」
ミヤピー「足が早くなるとか……」
やはり「靴」=足というイメージも拭えないようです。
そこで……
私「足から離れてみることはできる?」
ミヤピー「え?」
しばらく考えてミヤピーはこう言いました。
ミヤピー「靴紐をリボンに変えたり、おしゃれをして靴のパーティに行きました」
なるほど!擬人化しました。
私「面白いね!靴たちがパーティするんだね!どんなパーティかな?」
こうやって話をふくらませていきます。
共通して必要な能力
パターン1も2も、共通しているのは基礎を鍛えることです。
工作の場合、切る・貼るの他にちぎる・ねじるなどさまざまな手を使った行動が伴います。毎日少しずつでもいいので、これらの行動をやってみることがとても大切です。
手作りおもちゃで巧緻性の基礎を鍛える
どんなお題でもいいので、ぜひ親も一緒に作ってみてください。たとえば紙でも、切ったときとねじったときでは違うものができあがります。そんなふうに、違いを見せたりしながら、子どもの中に引き出しをどんどん増やしてあげてほしいです。
わが家では、ぬいぐるみや人形にリボンを巻いてきせかえごっこをしながら蝶結びの練習をしたこともあります。無理にやらせるより、遊びの一環として取り組んだ方が、親も子も苦労が減ります。
他によくやったことは、モールを使ったアクセサリー屋さんごっこです。モールをねじって指輪やネックレスを作ったり、紙と組み合わせてバッグにしたりと、すごく楽しみながら取り組めました。
楽しいとつい忘れてしまうのですが、親は時間の管理をしっかりと行うことが重要です。時折、声をかけながらスピーディにできるように練習しましょう。
この連載の中でも何度も書きましたが一朝一夕にできるお子さんはいません。大人よりもずっと小さい手なのです。うまく動かせるはずがありません。
出来栄えよりも、一生懸命取り組んでいる姿をほめてあげて、子どものモチベーションアップにつなげてくださいね!
次回もお楽しみに!