2019年10月25日 公開

子どもの記憶力は家庭で伸ばせる!記憶力を鍛えるポイントを解説

最近「考える力」の大切さが注目されていますが、子どもたちが学習していくなかでは、やはり記憶力が必要不可欠なもの。幼児期の記憶力アップは、じつは家庭でも可能です。子どもの記憶力を家庭で鍛えるポイントと、具体的な方法をご紹介します。

最近「考える力」の大切さが注目されていますが、子どもたちが学習していくなかでは、やはり記憶力が必要不可欠なもの。幼児期の記憶力アップは、じつは家庭でも可能です。子どもの記憶力を家庭で鍛えるポイントと、具体的な方法をご紹介します。

記憶力は家庭で伸ばせる

 (138728)

記憶力は生まれつきの頭の良し悪しで決まる能力だと思っていませんか?記憶力は、子どもの成長過程での経験、環境、教育などの影響を大きく受けるもの。言い換えると、家庭での毎日の生活や体験によって大きく伸ばすことができる可能性があるのです。

また、小学生ぐらいまでの子どもの脳はまだ発達している途中。そのため幼児の時期に必要なのは、特別な英才教育などの訓練や記憶術ではなく、脳の健やかな成長を育むことです。

子ども時代にパパママが家庭の中に豊かな想像力・感性を育てる環境を作って上げることが、将来的な記憶力アップにつながります。日常生活のなかでパパママができる記憶力を鍛える具体的なポイントを、次からご紹介しましょう。

ポイントその1:繰り返し声に出す

Familia Crianza De Los Hijos - Foto gratis en Pixabay (138732)

脳のなかで記憶を司るのは、「海馬(かいば)」とよばれる耳の奥にある太さ約1センチ・長さ約5センチの部分です。海馬は私たちが受け取る情報を整理し、脳で長期間保存すべきと判断したものを大脳皮質という場所に送る役割を持っています。

基本的には食べ物や危険など、生きていくことに密接にかかわる情報を海馬は優先するもの。しかし生死に関係ない情報でも、繰り返し何度も脳に送られると、海馬は「大切な情報だ」と間違って理解します。

つまり反復することによって海馬が重要な情報だと勘違いし、短期記憶ではなく長期記憶として定着する仕組みです。これが勉強で復習が大切だといわれる所以。また繰り返すだけではなく、声に出すことも大切です。耳からの情報は、目からの情報より時間が経過しても定着しやすいと言われています。

ポイントその2:他と関連付けて覚える

神経細胞 ニューロン 脳 - Pixabayの無料画像 (138737)

自分で考えて整理した情報は長期記憶になりやすく、また後に思い出しやすくなります。考えながら整理するというのは、「新しいことを覚えるときに、すでに知っている情報と関連付けて整理する」ということです。では、どうして関連付けると思い出しやすくなるのでしょうか?

私たちの脳に保存されている記憶は、神経細胞のネットワークでつながり、つながりの多い記憶ほど思い出しやすくなる仕組みなっています。逆につながりが少ない記憶は思い出しにくいものです。

丸暗記より関連付けで覚えるのが効果的だという理由はここにあります。

ポイントその3:子どもが覚えたことを親が教えてもらう

Familia Madre E Hija Bebé - Foto gratis en Pixabay (138739)

記憶のネットワークでは「インプット」と「アウトプット」はセット。切り離すことができない存在です。脳はもともと「アウトプットしたい」という出力依存性というものを持っています。そのため記憶された情報を使う「アウトプット」がとても重要です。

子どもができる一番簡単なアウトプットは、覚えたことをパパママに話すこと。お子さまと会話をするとき、どんどん質問してみましょう。小さなうちは「今日、幼稚園で何が楽しかった?」など簡単なことでいいので、記憶をたどって思い出せる過去のことを聞いてあげてください。

小学生くらいになったら「算数でどんなことを勉強した?パパママ忘れちゃったから教えてくれる?」など質問してもいいですね。

ポイントその4:読み聞かせも効果的

Familia Madre E Hija Bebé - Foto gratis en Pixabay (138742)

脳は情報がつながりが多いほど、より強く記憶に残るとご紹介しました。また記憶の要・海馬は複数の情報に触れると刺激を受け活性化し、機能アップするという性質を持っています。

この複数の情報のインプットという点でとても効果的なのが、絵本の読み聞かせです。普通の読書では「文字」だけのところ、絵本ではこれに「親の声」「絵」という3つの情報が一度に脳に入ってきます。複数の情報によって海馬が刺激され、関連付け効果によって言葉も記憶に残りやすく、語彙力アップにもつながります。

また絵本の読み聞かせなら、勉強と違って子どもたちもみんな大好き。自然に楽しく記憶力が鍛えられます。

ポイントその5:効果的な時間は空腹時

Personas Niño Bebé - Foto gratis en Pixabay (138745)

記憶力を鍛えるときに効果的な時間があるというのをご存知ですか?人間の脳の仕組みは、生死にかかわる情報を優先的に記憶するようになっています。そのためすべてが満たされて満足した状態より、ある程度危機感があるときのほうが記憶力アップには効果的です。

飢餓状態は生死と強く結びついているので、本能的に空腹時は脳にとって「危険な状態」と判断されます。あまりにもお腹がすきすぎて、イライラしていては逆効果ですが、基本的には食後の満腹時より食事前のほうが記憶力は鍛えられます。

ポイントその6:睡眠は大切

Dormir Niño Siestas - Foto gratis en Pixabay (138748)

記憶力アップのためには睡眠はとても重要。これは寝ている間の脳の働きと関係があります。

記憶の要の海馬は睡眠中もしっかり働いて、情報を整理し記憶に残す仕事を行っています。たとえば徹夜で試験勉強などをしてしまうと、この整理の段階を踏んでいない情報となり忘れやすくなるもの。一夜漬けの知識が定着しないのはこのためです。

また記憶では反復が重要だとお話しましたが、反復の間に睡眠を挟むと、その都度脳の中で整理されるので効率よく記憶に残ります。覚える、眠るを繰り返すことによって記憶が熟成されていくのです。

記憶力を鍛えるためには親子で言葉遊び

母親に耳打ちする娘3 - No: 275247|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (139028)

記憶力は特別なトレーニングを行わなくても、毎日の生活の中で気軽に鍛えることができます。
おうちで、外出先で、親子のコミュニケーションタイムに気軽に一緒に楽しめる言葉遊びを3つご紹介。特に道具も必要ないので、お子さまがちょっと退屈してしまった電車やバスの中などでも遊べますよ。

逆さ言葉遊び

Mujer Niño Madre - Foto gratis en Pixabay (138754)

言葉や数字を逆に言う遊びです。簡単なようですが、言葉や数字を覚えてそれを逆さに言うことは、記憶力アップに効果大!最初は「とけい」「くるま」など短い言葉からスタート。慣れてきたら「せかいほけんきこう」「わがはいはねこである」など長い言葉にも挑戦してみましょう。

パパママだけが質問するのではなく、お子さまが問題を出して親も答えるともっと楽しく遊べます。数字は大人にとってもなかなか難しいはずです。

条件付きしりとり

Personas Mamá Madre - Foto gratis en Pixabay (138757)

ただのしりとりも楽しい言葉遊びですが、それをワンランクアップさせて記憶力を効果的に鍛えてみましょう。たとえば「食べ物」「生き物」など条件をつけて、しりとりをします。物のジャンルだけではなく「パパが使うもの」「うちにあるもの」「幼稚園にあるもの」などの条件も楽しいですよ。

逆さ言葉遊びと同様、パパママだけが条件を設定するのではなく、お子さまと交互に条件を決めていきましょう。

言葉あつめ

Mamá Hija Mujer - Foto gratis en Pixabay (138760)

条件付きしりとりはまだちょっと難しいかな、という年齢のお子さまにもおすすめの言葉遊びです。「丸いもの」「赤いもの」「”い”からはじまる言葉」「”お”で終わる言葉」など条件を出して、それにあった言葉を順番に答えていきます。

基本的には1つずつ言葉を答えていきますが、簡単にできるようになったら新しい言葉を前の言葉につなげどんどん長くしていってみるのもおすすめ。たとえば赤いものなら「トマト」、「トマト・血」「トマト・血・赤信号」と答えていきます。

記憶力アップに効果的な習い事とは?

Piano Niño Jugando - Foto gratis en Pixabay (138763)

子どもの好奇心を刺激し興味を引き出したり、集中力アップに役立つ習い事。いろいろな習い事がありますが、特に記憶力アップに効果的な習い事といえば、ピアノです。音楽の演奏は一般的に脳を活性化させると言われていますが、なかでもピアノが注目されるのは、両手の指10本を使って演奏するから。

楽譜の情報が脳にインプットされ理解したあと、身体に司令を送り指をコントロールしながら弾くというのがピアノ演奏の流れです。また音を奏でるたびに思っていた通りの音かどうかを自分の耳で確かめ、目は楽譜の次の部分を見るという作業が繰り返されます。

また楽器の演奏では欠かせない暗譜。ピアノはほかの楽器と比べ楽譜が複雑なため、暗譜の過程でも脳が鍛えられます。

子どもの記憶力は楽しく鍛えよう

子どもの記憶力アップでいちばん大切なのは、子どものやる気を尊重すること。あまり気乗りがしない気持ちのものより、楽しく取り組める物事のほうが頭を育てます。今回ご紹介したような言葉遊びなども利用しながら、親子で楽しく一緒に記憶力を鍛えていきましょう。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター