天井知らずにお金がかかるイメージの小学校受験。お金をかけようと思えばいくらでもかけることができます。そこで、みなさんが気になる「お金」の問題について、実際にお受験を終えて小学校に入学させた今だから思うことを書きます。
世の中が感じる「お受験」のイメージ
「お受験」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
桁外れの大金持ちばかり…
サラリーマン一家では無理…
家柄が良くないとだめ…
自分とは縁のない世界だと思ってしまう方が多いのではないでしょうか?
受験して入る小学校の「リアル」
実際に入学してみると、保護者が開業医だったり弁護士だったり、あるいは大きな会社の社長や著名人……というようにお金持ちそうなイメージの職業の方が確かに多いのですが、普通のサラリーマン一家も多いです。
もちろんわが家も夫は普通のサラリーマン。収入も普通です。
収入レベルはさまざまでも、保護者に共通しているのは「教育への熱意」。同じ思いを持ち、学校を選んで自ら望んで受験して入学しているため、収入の多少で入学後に引け目に感じることはないと思います。少なくとも私は感じません。
そもそも、本当にお金に余裕がある方は表にそれを出すことがありません。それが普通だからです。
ただ、心の余裕がにじみ出ているなと思うことはあります(笑)
お受験はお金がかかる?
かかる、かからないで言えば「かかります」。
小学校受験を一旦決意したら、さまざまな出費を覚悟する必要があります。
とある私立女子小学校に子どもを通わせているフルタイムで働くお母さま(Aさん)とお話をしたときに、塾に通わなかったわが家とは費用のかけ方が大きく異なることに驚きました。
同じ塾を掛け持ち?
まず、レギュラーで大手小学校受験対策塾に通っていたAさん親子。お嬢さまは同じ塾の2校舎に通っていたそうです。
「同じ塾の2校舎?わざわざなぜ?」と思いますよね。
同じ塾でも、校舎がいくつかある場合、校舎近くの学校の担当校となっており、その校舎でしか開講していない志望校別クラスがあるのです。
例えばある受験対策塾に四谷校と広尾校があった場合……
・四谷校で志望校別クラスを用意しているのは「雙葉小学校」「学習院初等科」など
・広尾校で志望校別クラスを用意しているのは「慶応義塾幼稚舎」「聖心女子学院初等科」など
と校舎によって異なるのです。
そのため、志望校が定まらない場合や、併願させたい学校がある場合、同じ塾でも別の校舎を掛け持ちしている方も多いです。
この時点で塾の費用が通常の約1.5倍から2倍ほどかかると見込まれます。
個人塾と大手塾との併用
特に私立女子小学校に多いのですが、特定の学校に強いと言われる「個人塾」があります。ウェブサイトを持っていない個人塾もあり、口コミだけで生徒が集まるところも多いです。
費用はさまざまですが、大手塾でかかる毎月の費用より少し安くなることが多いと感じます。主に志望校向けのペーパー・行動観察・面接などを細かく見ていただけます。
歴史の長い個人塾になると願書添削や面接の指導などにも強みがあり、大手塾と、個人塾を併用されている方も非常に多いです。
長期休みのときの講習代は別
塾では夏期講習・冬期講習など休みごとに講習が設けられ、塾の会員であれば当然の流れで参加することになります。
通常レッスンより長時間になることが多いため、費用も多めになっていきます。
絵画・体操クラスに通うケースも
大手小学校受験対策塾の場合、通常のクラスはペーパーと行動観察の指導になります。
そのため、志望校の考査に絵画や体操が含まれる場合は別途
・絵画クラス
・体操クラス
が設けられています。
塾のクラスを取る人もいれば、個別の絵画教室や体操教室を申し込む人もいます。
送迎にシッターサービス
先に出たAさんは、シッターさんと契約をして保育園から塾への送迎を依頼していました。
塾の時間は、主に幼稚園児を対象にした時間設定になっており、フルタイムで働く保育園児ママにとっては塾への送迎が難しいのです。
小学生でしたら、小学校から直接塾に行く子も多いですが、未就学児だとそういうわけにはいきません。
ミヤピーの通っていた保育園にも、小学校受験のためにシッターサービスを依頼している方がいました。その方は着替えも預かってきており、保育園で着替えを済ませてから塾に送り届けていました。
不安から発生する費用も多い
例えば
「●●のお洋服を着せると上品に見えて合格が近づくらしい」
「絵画の練習はこの色鉛筆でやらせて合格しました!」
「○○体操塾の合宿に行かせたら急にできるようになった!」
「願書に貼る写真は△△写真館で撮ると合格しやすい」
こういった感想が寄せられると、わが子にも……!と藁にもすがる思いで同じものを購入したくなってしまいます。
これらは確実性のあるものではなく、冷静に考えると「そんなわけないじゃない」と思えますが、実際にその時になるとできることは何でもしたくなってしまいます。
今、必要なものは何かを考える
小学校受験は子どもの自主性よりも「親次第」となる部分が多く、気になるものがあればついお金を使ってなんとかしたくなってしまうのですが、冷静になって懐事情を確認してください。
気にしなくても良いご家庭でしたら構いませんが、そうでない場合は勧められるままだと天井知らずにお金がかかります。Aさんも途中からお金のことを考えるのが怖くなって、計算をやめてしまったと言っていましたが、入学後
「そこまでやらなくても合格できたのではないか」
と思うことが多かったそうです。
最もお金をかけるべきポイントはどこか?
お金のかけどころはズバリ
「志望校でどんなお子さまが望まれているのか?」
「志望校でどんな試験がどんな流れて行われているのか?」
を知ることに対してです。
小学校受験は過去問は公開されないので、実際に受験した子どもたちからヒアリングして市販の過去問題集は作られています。願書や面接も含めてどのような対策をしておけばよいのかをまとめた参考書もあります。こういったものをしっかり読んで、志望校に関する知識を十分に得ておく必要があります。
この点は、やはり塾には合格者の集合知がありますので非常に有利になると思います。塾代は確かに高いです。でも、塾に行かなければ得られない情報や知識があると思えば安く感じるかもしれません。
我が家の場合
塾に通ってなかったわが家に最も不足していたのは「志望校別の対策」だと感じていました。
その学校の教育方針に合う子どもはどんな子か?どうしたら選んで頂くことができるか。
ネットで調べるという手もありますが、特に匿名で不特定多数の人が書き込んでいる情報を信じることの怖さを感じます。特に学校の口コミに関しては正確性に欠ける内容も多いと感じます。
我が家はレギュラーで塾に通うことはありませんでしたが、不足していると思った分野での単発での講習と志望校別の模試にお金を使いました。参加するだけではなく、せっかくの機会なので先生に疑問点を伺い、できる限りの対策はしてきました。
特に試験の流れをよく確認することは大事です。
実際に合格した学校の試験の流れを講習のときに非常によく指導していただいたのですが、娘は試験後に「教えてもらったとおりだった!」と言っていました。
心づもりがあるとないとでは大きな違いがあるのではないでしょうか?
逆にお金をかけなくてもいい部分も本当にたくさんあるはずです。
先程も不安感から勧められたものをみんな買ってしまうというお話を書きましたが、お子さまの特徴もよく考えて、お財布の紐を緩めるところと締めるところのメリハリを付けていきましょう。
次回もお楽しみに!