日本で学ぶ英語は基本的に「アメリカ英語」ですが、世界では「イギリス英語」も多く使われており、両者では、日常生活レベルの単語でも違いがあります。イギリス英語の国・オーストラリアで生活する筆者が発見した、イギリス英語とアメリカ英語の違いを紹介します。
アメリカとイギリス、同じ「英語」でも違いがある
筆者は6年前からオーストラリアのパースに家族で住んでいます。オーストラリアの英語は、イギリス英語がベース。筆者がこちらに来たばかりの頃、身近に使われる英単語が、日本で覚えたものと違っていて、驚くことが何度もありました。
「日本で学んだアメリカ英語とは違うな」と筆者自身が感じた、イギリス英語について紹介します。
こんなに違う!生活の中で使われる英単語
「集合住宅」のことは、英語で何と言うでしょうか?「アパート」という言葉から、apartment を覚えている人も多いでしょう。これもアメリカ英語で、イギリス英語では、flatという単語が集合住宅を指します。
まぎらわしいのが、車の「ガソリン」。アメリカ英語では、gasolineまたは略してgasと言います。しかし、イギリス英語ではpetrolという、まったく違う単語を使います。ちなみにイギリス英語のオーストラリアでgasといえば、バーベキューや家庭で使う「ガス」のことになるので、国によって注意が必要です。
また、車の後部にあって荷物を収納する「トランク」は、アメリカ英語ではtrunkなので覚えやすいですが、イギリス英語ではbootと言います。
「ズボン」のことを、アメリカ英語では一般的にpantsと言います。これは日本語でも使われるようになってきています。しかしイギリス英語では、trousers。イギリス英語の場合は、pantsというと「下着のパンツ」の意味になります。
子育てで使う英単語も違う
乳幼児の子育て家庭の必需品「オムツ」。アメリカ英語ではdiaper、イギリス英語ではnappy と言います。「ベビーカー」は、アメリカ英語でstroller、イギリス英語ではpramです。英語圏に旅行や滞在する場合は、頭に入れておくと役に立つでしょう。
学用品として欠かせない「消しゴム」は、日本でeraserと習いますが、イギリス英語ではrubber と言います。ところで、rubberの本来の意味は「(素材としての)ゴム」のことを差し、例えば「輪ゴム」のことをrubber bandと言います。
子どもが大好きな甘いお菓子「あめ」。アメリカ英語ではcandyと言い、これは日本語でも使いますよね。しかし、イギリス英語ではsweetsです。筆者の住むオーストラリアでは、どちらでもなく、lollyというオーストラリア独自の単語が使われています。
実は日本でもイギリス英語が身近に使われている
たとえば「携帯電話」は、アメリカ英語でcell phoneと言います。それに対して、イギリス英語ではmobile phone(単にmobileとも)と言い、日本語でも「モバイル」という言葉が使われているので、覚えやすいのではないでしょうか。
車の前の部分「ボンネット」のことを、アメリカ英語ではhoodと言いますが、イギリス英語の方が日本語と近く、bonnet(発音はボニットと聞こえる)。トランクとは逆パターンになっていて、面白いですね。
英語といえど、場所によってさまざまな違いがある
ところで、オーストラリアは基本的にイギリス英語ですが、アメリカ英語も多く使われています。その背景はわかりませんが、アメリカのエンタメや商品はもちろん入ってきますし、特にインターネットが発達して、情報の流れがグローバル化した現在では、自然なことだと考えられます。
一方、やはり言葉というのは、現地の文化や、過去の歴史と密接に結びついていることも実感します。日本人にとっては「英語」という一つの言語でも、場所によってさまざまな違いがあり、それを知ることも英語を学ぶ一部ではないでしょうか。