国語辞典を引くことは「自ら学ぶ力」を育てます。小学校入学前から、辞書を引く習慣をつけてみてはいかがでしょうか?子ども向け辞書には知的探究心を育てる工夫がたくさん。選び方のポイントは、楽しみながら引けることです。国語辞典の選び方とおすすめ5冊をご紹介します。
辞書を引くことで自分の知識に
パソコン・スマホなどの電子辞典は場所も取らず、簡単に調べることができます。ただ、すぐに回答が得られてしまう電子辞典は「子どもの学習用」としては物足りないかもしれません。
紙の辞典の場合は、50音順の項目から調べたいことを探し、複数ある用法・用例から選ぶ必要があります。「手を使ってページをめくり、探し、文章を読み、理解する」という1連の流れは、巧緻性・思考力・読解力・語彙力などを伸ばします。また電子辞典に比べて能動的な学習姿勢と言えるでしょう。
自ら手を動かし、知りたいことを調べる行為は「自分から学ぶ力」を定着させます。多少時間がかかっても辞典を引き、文章を読んで理解したことは記憶に残る「確かな知識」となるはずです。
国語辞典の選び方
1.字が大きく、ふりがながふってある
2.平易な文章で説明されている
3.イラスト・写真が多い
4.カラフルである
幼児用・小学校低学年向けなど、「子ども用辞典」をうたっているものであれば、4つのポイントを満たしているものがほとんどでしょう。また大人向けであっても、子どもが気に入るようであれば問題ありません。パパママが読みあげて説明を捕捉してあげれば、十分理解を深めることができます。
使い方のコツ
子どもが国語辞典を身近に感じ、使いこなすためのコツは4つあります。
1.イラスト・写真だけ見て子どもに意味を予想させ、その後パパママが説明を読み聞かせる
2.説明文を声に出して読む
3.調べたページに付箋を付ける(付箋は子どもに選ばせるとなお良し)
4.絵本のように自由に読んでみる(子どもに好きなページを選ばせて、読み聞かせるのもおすすめ)
これらのことを意識しながら、「わからないことは辞書で調べる」癖をつけていきましょう。
1.小学新国語辞典
著者 :甲斐 睦朗(監修)
出版社 :光村教育図書
発行元は、小中高の教科書・教育関係の書籍を出版している光村図書出版株式会社の関連会社です。各教科の教科書から約33,000語の言葉を収録。教科書に準じた内容で、テストに出るような重要項目を色分け表示しています。
百人一首・短歌・俳句・ことわざ・慣用句・四字熟語などを、クイズ形式で学習できるのも魅力。イラストが多く、ふりがなつきなので幼児にも親しみやすそうです。小学1~6年生で習う漢字表が付録で付いています。
2.新レインボー小学国語辞典
著者 :金田一春彦(監修)、金田一秀穂(監修)
出版社 :学研
偉大な国語学者 金田一春彦氏と彼の息子である「国語の神様」金田一秀穂氏が監修した、子ども向け国語辞典です。全ページオールカラー・大きな文字・すべての漢字にふりがな付きで、気軽に手に取れる辞典として人気を博しています。
「刺す・指す・差す・挿す」のように、読み方が同じでも漢字・意味が違う言葉は、イラストで分かりやすく解説。ことわざ・慣用句・四字熟語・故事成語を用例とともに、幼児にも分かるように説明しています。小学校6年間の必修漢字を収録したミニ漢字字典付きです。
3.三省堂 例解小学国語辞典
著者 :田近 洵一(編)
出版社 :三省堂
辞書や教科書の出版社として知られる三省堂の国語辞典です。収録語数は35,500語。紙面レイアウトや立項項目などに小学校の先生からの意見を反映させた、子どもに寄り添った国語辞典です。
異字同訓や似た意味の言葉の使い分けなどの「コラム」も豊富。短歌や俳句・慣用句・ことわざ・故事成語などの解説は、ページの下で気軽に楽しめます。常用漢字は特別見出しで示し、筆順・画数・部首・音読み・訓読み・用例などが一目瞭然です。
4.チャレンジ小学国語辞典
著者 :筑波大学名誉教授 湊 吉正(監修)
出版社 :ベネッセコーポレーション
幼児・小学生の老舗通信教育企業である、ベネッセコーポレーションの国語辞典。初版から30年以上、改訂をしながら時代に合う内容に進化し続けてきたロングセラー辞典です。これひとつで小学校の教科書の内容と、現代用語を同時に学べます。
文字の読めない幼児も理解しやすいように、豊富なイラストと写真で言葉の理解をサポート。動物・植物のカラー写真が多く、生き物の特徴を目で見て学べる図鑑の要素もあります。
オリンピックの起源・外来語についてなど、子どもが興味を持てるコラムが収録され、読み物として楽しむこともできそうです。子どもの好奇心を伸ばしながら、「学ぶ力」を育てる内容になっています。
5.例解学習国語辞典
著者 :金田一 京助(編)、深谷 圭助(編集代表)
出版社 :小学館
辞典としての堅苦しさを感じさせない、人気キャラクター・ドラえもんの国語辞典です。表紙・本文・コラムなどにドラえもんが登場しますが、調べること読むことに集中するためイラストは小さめになっています。漢字にふりがなはふってあるものの、約36,500語の豊富な語彙と用例は、大人向け辞典に負けない内容です。
編集者である深谷氏が選んだ「必修基本語7700」は、小学校6年間で学んでおきたい言葉。この必修基本語は赤文字で記され、対象学年も示されています。可愛い表紙からは想像できないほど、広く深く知識を身につけられる国語辞典と言えるでしょう。幼児から小学校高学年まで、長く使える実用的な1冊です。
絵本のように気軽に読もう
さまざまな言葉を短い文章で簡潔に説明しているため、お子さまでも無理なく読めるはず。知らなかった物事を知ることは、新たな疑問・ほかのことへの興味を育てていきます。