文部科学省から毎年発表される「英語教育実施状況調査」は、日本の英語教育の現状がわかる興味深いデータです。「近年の中高生の英語力は?」「教育を担う学校の英語教師の英語力は?」「英語力が高い地域はどこ?」など、2017年度版の結果からポイントを絞ってご紹介します。
英語教育実施状況調査とは?
・英語担当教師の英語力
・生徒の英語力
・英語の授業での英語担当教師の英語使用状況
・パフォーマンステストの実施状況
それでは2017年度の調査結果からポイントを解説します。
学校の英語担当教師の英語力は?
2017年の調査結果を見ると、中学校は前年より1.6ポイント上昇していますが、目標には遠い33.6%です。高校は前年より3.2ポイントアップの65.4%で、こちらも目標には到達していません。
参照:文部科学省「第2期教育振興基本計画」
http://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/detail/1336379.htm
中高生の英語力は?
一方の高校生だと英検準2級以上を持つ生徒は15%で、それと同等の実力があると思われる24.3%を足すと39.3%です。どちらも40%ほどで、第2期教育振興基本計画の目標50%には到達していません。
英語力の高い地域
中学の英語担当教師の目標達成自治体は、福井県62.2%と広島市53.6%のみ。高校は福井県と香川県の91.3%をはじめ、ほか12自治体が目標達成しています。
データを見てみて、あることにお気づきでしょうか?福井県はすべての調査項目で、目標を達成しています。
どうして福井県の英語力が高いの?
県はコミュニケーション重視の授業や、ALT(外国語指導助手)の有効活用などの、継続的な計画が要因だとしています。また2018年度の高校入試から、英検の結果が加点されるシステムを導入。生徒のモチベーションをあげる仕組みも作られています。
2017年の英語教育実施状況調査では、福井県の地道な継続性のある英語教育が、花開いた結果と言えるでしょう。
日本の英語教育の「今」がわかる調査結果
参照:文部科学省「平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について」
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1403468.htm