2019年02月26日 公開

子どもの読書の習慣化&関心を高める方法は?子ども読書の日って?

子どもに読書を習慣づける方法や、読書への関心を高める方法を、2018年度よりスタートした「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」をもとにお伝えします。「子ども読書の日」についてもご紹介します。

子どもに読書を習慣づける方法や、読書への関心を高める方法を、2018年度よりスタートした「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」をもとにお伝えします。「子ども読書の日」についてもご紹介します。

子どもの読書活動の現状を分析

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Iakov Filimonov / Shutterstock.com
2018年度よりスタートの「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」において、前回までの結果から現状分析が公表されました。

スマートフォンの普及が加速化し、利用が長時間になることで、読書活動の時間が減少している可能性があると指摘しています。実際に、子どものスマートフォン利用率は年々増加していることが内閣府の調べで明らかになっています。

高校生の不読率(1カ月に1冊も本を読まない子どもの割合)が高いのは、中学生までに読書の習慣が身についていないタイプと、高校生になって読書の関心度合いが低くなり本から遠ざかっているタイプの二つに分かれると分析しています。

第四次計画の改正点

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Haywiremedia / Shutterstock.com
現状分析をふまえた「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の改正点のポイントは次の通りです。

発達段階ごとの効果的な取組を推進

乳幼児期は、絵本や物語の読み聞かせを行って興味を引くようし、さまざまな体験を通してイメージや言葉を豊かにすることで、絵本や物語の世界を楽しめるように促すことが大切です。

小学生期は、たくさんの本を読んだり、読書の幅を広げたりする取り組みが必要となります。語彙力を増やしながら、自分の考え方と比較し、好みの本を選択する楽しさを味わうことができます。

中学生期は、 内容に共感したり感動したりする本や、将来に役立つ本を選ぶようにし、高校生期は、読書の目的を明確にし、知的興味に応じた幅広い読書ができるように促すことが重要です。

発達段階ごとに取組むことで、 読書習慣を形成することを目指します。

読書への関心を高める取組みを充実

読書への関心度合いが低くならないように、引き続き読書への関心を高めることが必要です。そのためには、友だちなど同世代でのつながりや刺激が有効であるとしています。

たとえば、読書会、ブックトーク、書評合戦(ビブリオバトル)などを通して、本についての話し合いや批評を行うことで、読書の幅を広げ、異なる考えを知ることで新たな魅力に気づくことができます。

また、図書委員や子ども司書などを経験することで、自分自身の読書の理解を深めながら、同世代への読書のきっかけを作り出すことができます。

情報環境の変化が読書環境に与える影響を調査

スマートフォンの普及および長時間利用、SNSなどコミュニケーションツールの多様化が、子どもの
読書活動にどのような影響を与えているのかを、第四次計画の実施期間中に、実態把握と分析を行うとしています。

効果的な読書への関心の高め方を徹底解説!

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家読

「家読(うちどく)」は「家庭読書」の略語で、家族みんなで同じ本を読み、家族の絆を深めることを目指す読書活動です。2006年より提唱され、たくさんの市町村で実施されています。

子どもを中心に家族で同じ本を読み、読んだ本の感想を話し合うことが主流。読む本は家族で自由に決めますが、絵本なら短時間で読み終えることができ、小さな子どもからお年寄りまで幅広く読むことができるのでおすすめです。

お互いに読み聞かせをしたり、工作や料理の本を一緒に読んで作ったり、図鑑で昆虫や植物について一緒に調べたりすることも「家読」になります。

子どもにとって一番身近な家族と一緒に読書をすることが、読書を楽しみ、習慣づける一歩と考えられます。短時間でも構わないので、時間や日にちを決めて定期的に行うことをおすすめします。読書だけでなく、家族みんながふれあう時間が持てるのも大きな魅力です。

ブックトーク

ブックトークとは、相手に本への興味が湧くような工夫を凝らしながら、テーマにそって何冊かのさまざまなジャンルの本を紹介することです。テーマは、季節や行事など子どもたちの関心が高いものから選びます。

小中高生を対象とし、学校などのクラス単位など集団で行われ、1冊あたり約30分が目安。テーマにそった本を4~7冊ほどを選んで行います。ブックトークは先生だけでなく、子どもが行うこともあります。

今まで知らなかった本やジャンルに出会え、本や読書の楽しさを味わうことができます。同世代の友だちから影響を受け、読書への関心を高め合うことにもつながることが期待できます。

書評合戦(ビブリオバトル)

書評合戦はビブリオバトルともよばれ、本を紹介するコミュニケーションゲームです。小学生から大人まで幅広く行うことができ、「人を通して本を知る、本を通して人を知る」をキャッチコピーとして全国に広まりつつあります。

発表者が読んでおもしろいと思った本を5分程度で紹介し、それに関する意見交換を2~3分ほど行います。すべての発表が終了した後に、一番読みたくなった本を多数決で選ぶ活動です。友だちや仲間と一緒に、ゲーム感覚で楽しみながら本に関心を持つことを促します。

ご存知ですか?4月23日は「子ども読書の日」

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Africa Studio / Shutterstock.com
2001年に成立した「子どもの読書活動の推進に関する法律」で、4月23日は「子ども読書の日」と定められています。
 国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるため、子ども読書の日を設ける。
国、都道府県、市町村は、「子ども読書の日」にふさわしい取り組みをすることが求めれています。たとえば、図書館を中心におはなし会、テーマを決めた図書の展示、司書体験、人形劇、スタンプラリーなどさまざまな行事が行われています。

また、この「子ども読書の日」である4月23日~5月12日を「こどもの読書週間」としています。これは、公益社団法人読書推進運動協議会が主催するもので、図書館や書店、学校などで大人が子どもたちに本を手渡す行事が全国で活発に行われています。

家族みんなで読書を楽しもう

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wavebreakmedia / Shutterstock.com
子どもが読書を親しむには、小さなころからの習慣づけと、関心度合いをキープすることが重要です。まずは、絵本の読み聞かせからスタートし、家族みんなで本を読み感想を伝え合う機会を持つことが効果的です。

子どもが小学生になれば、家庭でブックトークや書評合戦を行ってみてもいいでしょう。全国各地の図書館、書店などでもイベントとして行われています。2018年からはじまった第四次計画で、子どもの読書活動を推進するための対策がさらに進められています。多方面でのさまざまな取り組みを活用してみてください。

年に一度の「子ども読書の日」「こども読書習慣」に行われるイベントや行事には、子どもと一緒に参加してたくさんの本に出会うのも一手段です。

まずは身近な大人が本に親しむ姿を子どもに見せることからはじめてみてはいかがでしょうか。

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この記事のライター