子どもは絵本が大好きです。子どもたちに愛される絵本の魅力はたくさんありますが、ふたつあげるなら絵の魅力と文章の魅力でしょう。今回は、「きれいな日本語表現」が堪能できる『おひさまパン』をはじめ、3冊の素敵な翻訳絵本をご紹介します。
「翻訳絵本」って、どんな絵本?
原作の世界観を壊さずに、どれだけ日本語として自然に翻訳することができるのか?
絵本の魅力をどれだけ生かせるのか?
大きく問われるのが、翻訳家の力量とセンスということになります。
『おひさまパン』繊細なイラストと、きれいな日本語
著者 :文絵 エリサ・クレヴェン, 翻訳者 江國香織
出版社 :金の星社
住人の犬のパン屋さんは、せめて家の中だけでも暖めようと、「おひさまパン」を 焼きました。
でも、そのパンは、みんなを温めて笑顔にする本当の「おひさまパン」だったのです……。
という、少し奇想天外な、でも心温まるストーリーが、とても美しいイラストで描かれています。
緻密で繊細なタッチと淡い色彩が作り出すのは、ホカホカと暖かいお日さまのような世界観。
きっと、子どもたちもひと目で心を奪われることでしょう。そしてまた、その世界観を余すことなく表現しているのが、翻訳者・江國香織さんの文章です。
amazonのレビューの中で、
そして忘れてはならないのが江国香織の訳。「SUN BREAD」を「おひさまパン」と変えた彼女の力量に感服。
原作に忠実に翻訳された美しい日本語文に触れることは、お子さまの語彙の幅を広げるには良いチャンスです。
全国学校図書館協議会を含め三カ所からの選定絵本になっている今作品、読み聞かせにおすすめの絵本です。
『おちゃのじかんにきたとら』ドキドキワクワクの展開
著者 :文絵 ジュディス・カー ,翻訳者 晴海 耕平
出版社 :童話館出版
世界で300万部を売り上げた、「もっとも人気のある絵本」と言われる話題の作品です。
口コミにもあるように、奇想天外なストーリーで思わずにんまりと口の端が上がってしまうような、ほのぼのとした楽しい絵本です。
でも作者の境遇を考えたとき、その裏側に隠れているものが見えてきて、また深く考えさせられるものがありますね。
『くれよんのはなし』8色のクレヨンたちが頑張ります
著者 :文,絵 ドン・フリーマン ,翻訳者 西園寺 祥子
出版社 :ほるぷ出版
主人公が8色のクレヨンという、擬人化の物語。奇抜な発想と意外なストーリー展開が、とても楽しいオススメの絵本です。
翻訳絵本で、語彙の幅を広げましょう!
そんな異文化と触れることができる、美しい日本語で綴られた「翻訳絵本」。
この素晴らしい知育アイテムを生かして、楽しく、お子さまの語彙の幅を広げてあげてくださいね。
きっと、豊かな心を育む土台を築く力になってくれることでしょう。