風が涼しく感じる秋。日本の伝統・風土を感じる秋祭りの季節でもあります。子どもを連れてお祭りに行こうと考えているパパママも多いのでは?そこでオススメしたいのが「秋祭りの絵本」。子どもと一緒に楽しく絵本で秋祭りへの理解を深めてみましょう!
ノスタルジックな魅力『くすのきだんちのあきまつり』
著者 :武鹿悦子(作)/末崎茂樹(絵)
出版社 :ひかりのくに
もぐらさんが管理人をつとめる大きなくすの木。そこに住む動物たちが、里の池「まんまん池」のまわりで開かれる秋祭りに出かけるお話です。池のまわりにはたくさんの屋台!かわいいネズミ神輿も登場します。
注目は祭りのあとの様子です。住人たちの戻ったくすの木では、それぞれの家の窓に灯りがともされ、くすの木のなかにあるレストランで宴の続きが行われます。
なんだかとてもノスタルジックな光景に、パパママも思わず我が家の暮らしのあり方を見つめなおす……そんな不思議な魅力にあふれた絵本です。
神様はどこに!?『10ぴきのかえるのあきまつり 』
著者 :間所ひさこ(作)/仲川道子(絵)
出版社 :PHP研究所
かえるたちの神「おかえるさま」を祀った「けろけろじんじゃ」。その秋祭りの様子をつづったのがこの絵本です。
お神輿にのてっぺんには、金ぴかの「かえるさま」がしつらえられていて、かえるたちは大はしゃぎします。ところが、ある日の朝、お神輿の上にいるはずのおかえるさまがいなくなってしまい……。そこからかえるたちの大捜索がはじまるという物語です。
かえるさまを盗んだのは一匹の大きなどぶねずみ!かえるたちは、どうやってかえるさまを取り戻すかを思案しますが……。なんだかんだとドタバタが繰り広げられたあと、最後にはみんな仲良くお祭りを楽しむことになります。
本来お祭りとは、その里を守る神様に捧げるもの、という古来からのストーリーをとても楽しい作画で表現した絵本です。
千葉県の方は必読かも!?『海に入るみこし』
著者 :浅野 陽
出版社 :古今社
日本各地にあるお祭りですが、特に海に近い土地には独特のお祭りがあります。千葉県房総半島に古くから伝わるのが、「外房大原はだか祭り」。このお祭りの様子をやわらかいタッチで描いた絵本が『海に入るみこしー房総大原の秋祭り』です。
絵本には珍しい日本画の技法で描かれた海祭りは、素朴な風合いのなかにも荒々しい男衆の気配をしっかりかもしだしており、祭りの魅力が伝わってくる名作です。
メキシコの風景が目に浮かぶ『パコのあきまつり』
著者 :なおえ みちる(作)/いまい とし(絵)
出版社 :リーブル
メキシコの民族舞踊「ケツァルダンス」。ケツァルとはメキシコの深い森にすむという美しい鳥の名前です。メキシコの人々は美しい鳥ケツァルを大切にしており、秋祭りになるとケツァルをたたえるダンスを踊る……そんな素敵な物語を描いた絵本です。
色鮮やかな羽や紙細工で着飾った青年たちが華やかに踊る様子は、なんだか山形地方の伝統芸能「花笠音頭」にも似ていて、とても親しみやすく感じられます。
祭りの前に村の神様に祈りを捧げる場面や、トルティージャや芋菓子などいかにもメキシコと言った風情の屋台など、メキシコの秋祭りの様子がいきいきと描かれており、メキシコ文化の学習教材としてもオススメです。