保育園での子どもたちの様子を、保育士目線でお伝えするコラム。前回の反響が大きく、やっぱりパパママたちは園でのことを知りたいんだな、と実感。そこでお届けする第二弾は、自分でする「お着がえ」での一コマです。家庭でも取り入れられるコツもお伝えします!
まずは「ズボンはいてごらん?」
というわけで今回は、おうちにいるときとずいぶん事情が違うみたいだぞと常々感じてる、1、2歳頃のお着がえのときの子どもたちの様子です。
自分でするお着がえの挑戦は、大抵一番簡単な「ズボンはいてごらん?」からはじまることが多いです。
自分でがんばってみた!
「え!?家じゃやったことないです!」
園であるある、先生と保護者の会話。
ちょっと納得いかないようなパパママと
「僕そんなことしました~?」
または
「ちょっとー、せんせ、ばらさないでよ。てれてれ」
といった子どもの表情とのコントラストが保育者的にはたまらないシーンです(笑)。
そっかそっか、おうちではやんないのか~とこっそりニヤニヤしちゃいますね。おうちではしっかり甘えてるんだなあとうれしく思うのです。
がんばるところと力を抜くところ
なるほど、おうちで(またはおじいちゃんおばあちゃんちで)、このお休み王子様で過ごしていたな。にやにやにや(笑)。えらいなー、ちゃんとがんばるところと気を抜くところがわかってるんです。
がんばるところと力を抜くところのバランスは、大人でも大切ですよね。小さいながらにそれをちゃんとやっているのだと思うと「すごいな」と思います。
「でも、おうちでもやってもらいたい!」のがパパママの本音でしょうか。
ですよねー!私たちも、園でしたことおうちでもつなげて定着させていっていただきたい!
ではなぜ、保育園ではできるのにおうちではしないのでしょう?
保育園ならではの「待つ時間」が「できる」につながる
それは、集団生活で必然的にできる「待つ時間」です。多数の子どもに対して保育者1の対応になるので、どうしても「ズボンはけるかな?」と声掛けされた後に待つ時間ができるのです。でもその待つ時間が自分で挑戦することや「めんどくさい」とか「やりたくない」とか気持ちの処理も含めて子どもたちの試行錯誤の時間になります。結果、「自分でズボンをはく」ということができるようになるんですね。
ところが家庭で「待つ」となると、1対1だと「待つ」ってなかなかに忍耐が必要で難しいことで…。気持ちはよくわかります!
保育者として年数を重ねても「あ~、やってあげれば速攻で終わるのに」と思ってしまうことも度々です。プロだから待ちますが、プロじゃなかったら待てないかもしれない。でも、待つって大切。子どもたちは何事も0からの出発です。おのずと時間はかかるもの。いつもよりちょっと待つ時間を増やしてみてください。