「子どもの芸術的センスを磨きたい!」という方は、絵本を選ぶ時にイラストの芸術性に着目して選んでみては?絵本の賞の中には、絵本の挿絵に着目したものがあり、その一つが「コールデコット賞」です。今回は、コールデコット賞の詳細と受賞作品からおすすめをご紹介します。
コールデコット賞とは?
アメリカ合衆国の児童文学賞
この賞の名称は、イギリスのイラストレーター「ランドルフ・J・コールデコット」から名付けられました。
芸術性の高い絵本に贈られる
・前年に、アメリカ合衆国で出版された英語の本であること。
・イラストレーションはオリジナル作品であること。
・イラストレーターはアメリカ合衆国の市民もしくは居住者であること。
・使用された芸術的な技法、ストーリーの絵画的な解釈、ストーリーとイラストの様式の適合性、プロット・テーマ・キャラクター・雰囲気や情報などの絵を通じた描写、子どもの読者を想定した表現であることが評価される。
・本が子どもの理解力、能力、鑑賞力に敬意を払っていること。
・本がそれ自身で完結しており、楽しむために他のメディアに依存していないこと。
Caldecott Medal – Terms and criteria | Association for Library Service to Children (ALSC)
想像力が掻き立てられてワクワクする絵本
著者 :モーリス・センダック(作)、じんぐうてるお(訳)
出版社 : 冨山房
マックスが船に乗り進んでいくと、怪獣のいるところに到着します。マックスは魔法で怪獣たちを手なずけ、その島の王様になりました。しかし次第にさみしくなったマックスは、元の世界にもどりたくなり……。
突然部屋が異世界になり、あらわれた大きな怪獣たちを意のままに操る……。お子さまなら誰もが、想像力を掻き立てられワクワクしてしまうでしょう。
ストーリーもさることながら、怪獣たちの愛らしいイラストがさらに作品の魅力を増しています。怖がりなお子さまも、こんなかわいい怪獣なら「会ってみたい」と思うかもしれません。
幸せについて考えさせられる絵本
著者 :バージニア・リー・バートン(文・絵) 石井 桃子(訳)
出版社 :岩波書店
ちいさなおうちの周りは気がつくとすっかり都会になり、おうちはビルの谷間に飲み込まれそうになっていました。そんなとき、ちいさなおうちに住んでいた家族の子孫がやってきます。小さなおうちを、美しい丘の上に移すためです。
この絵本を読むと、文明が発達し便利になることで、失われるものもあるのだと実感させられます。「幸せとは何か」と考えさせられる絵本です。
また、表紙に出てきたおうちの絵が、最後にはもとに戻る様子は命の連鎖を思わせます。お子さまだけでなく、大人の心にも響く作品でしょう。
好奇心がかきたてられる絵本
著者 :デイヴィッド・ウィーズナー(作)
出版社 :BL出版
知らないことを知りたい、見たことのないものを見てみたいというのは人間の好奇心の源。そして好奇心は、学ぶ意欲を引き出してくれます。絵本を見終えたお子さまも、「もっといろいろなことが知りたい!」と感じるかも。
またこの絵本は文字がないので、絵本が苦手なお子さまや、まだ小さなお子さまでも気軽に手に取ることができます。文字がないぶん絵をじっくり眺めることができ、何か面白い発見ができるかもしれません。
自然の素晴らしさを伝えたいときに
著者 :ユードリイ(作)、シーモント(絵)、西園寺祥子(訳)
出版社 :偕成社
この絵本は、子どもの目線で木の素晴らしさが描かれており、お子さまは共感しやすいのではないでしょうか。読み終えたら、自然豊かな場所にお出かけしてみては?自然の素晴らしさを一層実感できることでしょう。
絵本全体にのんびりとした雰囲気が流れており、仕事や家事につかれているパパママには癒し効果も期待できそうです。
元気になりたいときにおすすめの絵本
著者 :フィリップ・C・ステッド(文)、エリン・E・ステッド(絵)、青山南(訳)
出版社 : 光村教育図書
普段はゾウとチェスをしてあげたり、ミミズクに本を読み聞かせたり、動物たちと友人のように接するエイモスさん。その恩返しといわんばかりに、たっぷりの愛情を返す動物たちの姿には、思わずグッときてしまいます。
体調を崩してしまったお子さまに読み聞かせてあげるのもおすすめ。心がぽかぽかして、元気が湧いてきそうです。お友だちに優しく接していれば、それが自分にも返ってくるという教訓も伝えられるでしょう。