日常生活のルールはあっても、教育方針を明確に定めている家庭は少ないかもしれません。でも、幼稚園や小学校受験では、願書へ教育方針を記述する欄があったり、面接で聞かれたりすることも。教育方針は、子どもの教育において何を大切にするかの指針になります。家庭の教育方針を決めるメリットと、わが家の教育方針をご紹介します。
家庭の「教育方針」って決めていますか?
家庭の「教育方針」を決めておくメリットとして、次のようなことが挙げられます。
家族で教育について話し合うきっかけになる
家庭の教育方針が夫婦で大きく違うと、「お父さんとお母さんで言うことが違う」と、子どもが混乱することがあります。
また、家族それぞれの教育に対する考え方がよくわからないままだと、教育に関する「選択」に直面するたびに、ケンカになってしまう可能性も高くなります。
あらかじめ家庭の教育方針について話し合い、それぞれの考えを理解しておくことで、いざ小学校や中学、高校、習い事を選択するときが来ても、前向きな話し合いをしやすくなりますよ。
教育の判断基準になる
何かを決めるときに家庭の教育方針がはっきりしていれば、それに照らし合わせて判断をすれば良いので、不必要に悩まずに済みます。また、「何となく良さそう」といった理由で選んでしまい、後悔するといったことも避けられます。
家庭の教育方針はどうやって決める?
ゴールが決まったら、次に「そのゴールに向かうために必要な力」は何かを考えます。
最後に、その「必要な力」を育てるために、どんな方法があるのかを検討しましょう。
「子育てで目指すゴール」「ゴールに向かうために必要な力」「必要な力を育てる方法」という3点にブレイクダウンしていくことによって、家庭の教育方針を明確なものにできます。全ての項目が一致しなくてもかまわないのですが、家族で「子育てのゴール」については、同じビジョンを共有しておきたいですね。
多くの場合、家族で争いの種になるのは最後の「育てる方法」についてです。皆育った環境も考え方も違いますから、良いと感じる教育方法が異なるのは無理もありません。
でも、目指している「子育てのゴール」は同じだという意識があれば、相手の思考や価値観を否定することなく、互いの選択のメリットやデメリットについて、建設的に話し合うことができるのではないでしょうか。
わが家の教育方針
そのために必要な力は、「健康な身体」「折れない心」「気持ちを切り替える力」だと考えており、その力を養うために、「体を動かす機会を増やす」「ポジティブな言葉がけをする」「さまざまな経験をさせる」といった方法を採っています。
教育のゴールとしている「自立」は、ただ仕事を持って社会人になるということだけではなく、「他人や環境のせいにせず、自分の課題は自分で解決できる」という意味を含んでいます。
困難な状況に陥った時、他人を責めたり、誰かが助けてくれるのをただ待ったりするのではなく、解決方法がないか考え抜き、援助が必要なら素直に手を挙げて、どうしようもないのなら自分の気持ちや考え方を切り替えられる、そんな強くてしなやかな人に育って欲しいと思っています。
わが家でも、夫婦でどんな方法を選択するか、意見が食い違うことはよくあります。そのたびにこのゴールに立ち返り、目指す方向は同じなのだから、どちらの選択がより適しているかを前向きに話し合うようにしています。
家庭の「教育方針」を決めるにはまず夢を話し合おう!
だからこそ、まずは教育手段(航路)ではなく、教育の目的(ゴール)を家族で共有することが大切だと感じています。
ゆっくりと家族で話し合う機会が作れれば理想的ですが、日々の会話の中から、少しずつ向かうべき方向を見定めるという方法もあります。子どもの成長に応じて、目的地や養うべき力を修正したり、子ども自身に話し合いに参加してもらったりすることも必要だと思います。
「家庭の教育方針を決めなくちゃ!」と難しく考えすぎず、まずは「どんな大人に育って欲しいのか」という夢を、家族皆で話してみてはいかがでしょうか。