2017年07月31日 公開

便利で面白い!図書館を120%活用!国立国会図書館国際子ども図書館③

たくさんの本がありすぎて、図書館での本の選び方がわからないという方いませんか?また、本を読んだり借りたりする以外の利用方法も図書館にはあること知っていますか?国際子ども図書館の児童サービス課に勤める大貫朋恵さんに、図書館の上手な利用法を教えていただきました。

たくさんの本がありすぎて、図書館での本の選び方がわからないという方いませんか?また、本を読んだり借りたりする以外の利用方法も図書館にはあること知っていますか?国際子ども図書館の児童サービス課に勤める大貫朋恵さんに、図書館の上手な利用法を教えていただきました。

前回の記事はこちら

国立国会図書館国際子ども図書館の見どころ・魅力を3回に分けてお伝えしています。前回の記事はこちらからご覧いただけます。

どの本を借りたらいい?「迷ったら聞く!」がオススメ

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児童サービス課の大貫朋恵さん
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はじめての図書館や大きな図書館では、どこに読みたい本があって、たくさんある中からどうやって選べばいいかわからない、という方もいると思います。そこで、今回は、国際子ども図書館の児童サービス課に勤める大貫朋恵さんに、図書館の使い方をお聞きしました。

「国際子ども図書館は、他の公共図書館のモデルルーム的な役割も担っています。ですから『子どものへや』に置かれている絵本や物語の本は、昔からずっと読み継がれてきた本や多くの子どもたちに人気の本など、普遍的な良書が中心です」と大貫さん。

なるほど、ここに置かれている本なら、どれを選んでも間違いないということですね。でも、中でも特におすすめというのを知りたいんですが……。

「そういうときは、図書館のスタッフに声をかけてみてください。国際子ども図書館では、『子どものためのおはなし会』で反応のよかった絵本をまとめた年齢別のリストをご用意しています。他の公共図書館でもおすすめリストがあったり、司書さんがアドバイスをくれたりすると思いますよ」

まずは気軽に聞いてみるのがいいんですね。たしかに自分以外の人に選んでもらえば、視野も広がりますよね。

「子どものへや」で見つけた知識の本で興味を広げよう

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同じ「子どものへや」の本でも、知識系の本は常に新しい情報が出てくるので、定期的に入れ替えているそう。子ども用に何か新しい本を探している、という場合は、まずはこの「子どものへや」に来てみると、いろいろと興味深い本と出会えるかもしれません。

国際子ども図書館では独自の分類を使用していますが、「子どものへや」や「調べものの部屋」にある知識の本は、他の公立図書館と同じ日本十進分類法で並べられていることが特徴です。興味のある本を見つけたら、その背表紙に貼られた分類番号を覚えておきましょう。近所の図書館で同じ番号の棚を探せば、簡単に類書を見つけることができるというわけです。

日本の公共図書館の多くでこの日本十進分類法が採用されているので、いくつかの図書館を回って同じ番号の棚を見ていけば、たくさんの関連書籍に出会えます。夏休みなどで長期間自宅とは別の場所で過ごす場合などでも、全国どこでも共通の番号なので、子どもの好きな本、興味のある本を探すのに便利です。関連本を読んで知識の幅を広げることは、子どもの可能性を伸ばすことにもつながるかもしれません。

図書館なのに音楽会!?

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国際子ども図書館では、前回ご紹介したガイドツアーのほかにも、おはなし会やわらべうたの会など、さまざまなイベントが行われています。

特に人気なのが「子どものための音楽会」をはじめとする音楽イベント。室内楽の演奏後に音楽に関する児童書を紹介したり、楽器の生演奏に合わせて読み聞かせをしたりと、本と音楽を組み合わせたユニークな試みがたくさんあります。

「そもそも、小さい子が入れるクラシックコンサートってあまりないんですよ」と大貫さん。そのためか、イベントによっては募集開始後、すぐにいっぱいになってしまったこともあるそう。

地域の公共図書館でも、実はいろいろな催しが行われています。こうしたイベントは基本的に無料なので、こまめにホームページをチェックして、どんどん参加してみましょう。

飲食スペースも充実

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こちらの図書館では1階にはカフェテリアもあり、カレーやお子様ランチ、サンドウィッチなどがいただけます。

広々とした休憩スペースも飲食OKなので、お弁当を持っていくのもよさそう! ここには授乳スペースやベビーカー置き場もあるので、小さなお子ども連れでも安心。靴を脱いで上がれる休憩コーナーでは、パパが休んでいることもあるんだとか。

また、残念ながら工事中(2017年7月現在)ですが、美しい植栽を見ながらくつろげるテラス席もあります。ゆっくり飲食できる場所があると、お昼をはさんで一日中過ごすことができるので、夏休みのお出かけにもよさそうですね。

貴重な初版本やマニアックな本もたくさん!

大人目線で館内をめぐると、これまた面白い発見が……。

明治から現代までの日本の子どもの本の歩みをたどる常設の展示室「児童書ギャラリー」を覗いてみたら、『ひとまねこざる』の初版本を発見。開いてみると、なんと文章が縦書きなんです! 

現在は原書(英語)と同じ横書きなので、2冊を見比べると、絵と文字の配置がずいぶん違います。当時の編集者の方はさぞ苦労したんでしょうね。

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また、中高生向けの「調べものの部屋」では、『ロボットは東大に入れるか』『オタク市場の研究』など、「こんな本があったんだ!」と思うようなマニアックな本が並んでいて、興味津々。

見たことのないような写真集もいろいろあって、中でも笑ってしまったのが『けんちく体操』。古今東西の名建築物を体で表現するという斬新な本なんです。

時間があるときは、他にはなかなかない本との出会いを楽しんでみてはどうでしょう。

ホームページも楽しい!

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国際子ども図書館のホームページには、施設案内やイベント情報以外にもたくさんの情報が掲載されています。「電子展示会」もあり、「「日本発☆子どもの本、海を渡る」や「日本の子どもの文学」などのバナーをクリックすると、どなたでも自宅のパソコン等からアクセスすることができるんです。

また、「国立国会図書館キッズページ」は写真やイラストが満載で、本や図書館のことを楽しく学べるようになっています。ぜひお子さんと一緒にチェックしてみてください。

【所在地・電話番号】
東京都台東区上野公園12-49 TEL 03-3827-2053(代)
【開館時間】
9:30~17:00 
【休館日】
月曜日 国民の祝日・休日(5月5日は開館) 年末年始 資料整理休館日(第3水曜日)
【アクセス】
JR上野駅公園口、またはJR鶯谷駅南口から徒歩10分

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この記事のライター

YUZU
YUZU

フリーライター。東京都在住。出版社で書籍編集の仕事をしていましたが、夫の仕事の都合で2009年より台湾・台北へ。6年間の駐在生活中は娘二人を日本人学校に通わせながら、台湾師範大学の語学センターで中国語を勉強。帰国後はライターとして、主に台湾や子育てに関する記事を書いています。