2018年11月20日 公開

ワーキングメモリとは?幼児期から鍛える方法とその効果

脳科学の研究のみで使用されることが多かった「ワーキングメモリ」というキーワード。ビジネスや子どもの発達といった分野でも、最近注目を集めていることはご存じでしょうか?ワーキングメモリとは一体何なのか、鍛えることでどのような変化が現れるのかをご紹介します。

脳科学の研究のみで使用されることが多かった「ワーキングメモリ」というキーワード。ビジネスや子どもの発達といった分野でも、最近注目を集めていることはご存じでしょうか?ワーキングメモリとは一体何なのか、鍛えることでどのような変化が現れるのかをご紹介します。

ワーキングメモリとは

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ワーキングメモリとは、短期的に情報を記憶として保持しておき、その情報をもとに物事を処理することを意味する言葉です。記憶タイプは大きく3つに分けられます。

・単語や数などを覚えておく言語的なもの
・イメージや絵、位置を記憶する視空間的なもの
・経験からの注意のコントロールなど高度な認知機能

それぞれが同時に働いたり、干渉し合っていると考えられています。作業記憶や作動記憶とも呼ばれ、会話や計算、学習、仕事などの日常生活において、私たちが無意識的に使用している能力です。

具体的な例を挙げると、3つのおかずを作る時に同時進行で作業を行ったとしましょう。3つの料理がほぼ同時に完成させられるのは、ワーキングメモリが上手く働くため。それぞれの工程にかかる時間や手間を予測し、作業内容を同時に考えながら進められた結果だと言えます。

ワーキングメモリが衰えている場合は、未来の場面が想像しづらく、優先順位を上手くつけた行動がスムーズにとれません。先の例でいうと、料理をひとつずつ仕上げていかなければ、すべての料理が作れないというような状態です。

隣の部屋に物を取りに行ったのに、部屋に入った途端「何を取りに来たっけ?」となるのは、ワーキングメモリが活性化されていない可能性があります。

ワーキングメモリを鍛えることの効果

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記憶といえば、長期記憶や短期記憶という単語がメジャーですが、ワーキングメモリは短期記憶よりもさらに短い期間の記憶です。覚えておきたい期間が過ぎると、すぐに忘れてしまいます。これはワーキングメモリの容量が小さく限界があり、次々に忘れて新しいことを覚えるためです。ワーキングメモリに残す必要がないものはメモの習慣をつけるなど、負荷を軽くする工夫をするとより働きやすくなるという意見もあります。

ワーキングメモリには、脳内でも前頭葉に含まれる、前頭前野の働きが深く関わっています。この能力が低下すると、複数の物事を同時に処理するのが苦手になるほか、ケアレスミスが増えるでしょう。

一方で、ワーキングメモリは簡単な脳トレや日ごろのトレーニングで鍛えたり、領域を広げたりできるとされています。鍛えることで期待できる効果は、以下のとおりです。

・複数の物事を同時進行で情報処理でき、行動の優先順位を上手く付けられるようになる
・情報処理能力がアップすることで作業効率もアップ、時間を有効活用できる
・暗記力の向上や、物事の優先順位を見極め論理的思考が可能になる
・課題に取り組む際の集中力がアップする

このように、子どもの教育においても勉強に役立つ可能性があると注目を集めています。

幼児期にワーキングメモリを鍛える方法

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幼児期は知能がぐんぐん伸びる時期だとされています。この時期にワーキングメモリを鍛えるためには、日々の遊びに前頭前野を活性化するものを取りいれてみましょう。たとえば、赤ちゃんの記憶力や想像力を強化するような「いないいないばぁ」遊びや、左右どちらの手にお菓子が入っているかを当てるゲーム、同じお話を何度も読み聞かせてあげるなどがおすすめです。

慣れた遊びの場合は道具を足したり、やり方をアレンジすると飽きずに遊べます。繰り返し行うことが重要で、結果的にワーキングメモリが強化されていくでしょう。ただしやり過ぎは禁物で、かえって脳にストレスを与えてしまう可能性もあります。しっかりと質の良い睡眠を取るようにするなど、脳を休ませてあげることも大切です。

ワーキングメモリを意識してみませんか?

マインド マップ ブレイン ストーム アイデア · Pixabayの無料写真 (120010)

普段のちょっとした生活の中で意識するだけでも、ワーキングメモリの向上が期待できます。最近注目を集めていることから、関連する本もたくさん出版されています。生活や仕事、育児をスムーズに行うためにも、参考に読んでみてはいかがでしょうか。

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この記事のライター

コバヤシ トモコ
コバヤシ トモコ

奈良県出身/フリーライター/週末釣り部/海と釣りが好き/ 優しいダンナ君と優しい中学生の双子男子のステップファミリー