2017年05月08日 公開

YouTubeが教材?ICTを活用した学習活動が進むオーストラリア

日本の学校でも、ICT(情報通信技術)の導入が積極的に行われるようになってきました。今後はどうなっていくのでしょうか?オーストラリアにおけるICTの利用は、すっかり教育現場にとけ込んでいます。オーストラリアの幼稚園・小学校低学年の教育におけるICT活用教育事情を紹介します。

日本の学校でも、ICT(情報通信技術)の導入が積極的に行われるようになってきました。今後はどうなっていくのでしょうか?オーストラリアにおけるICTの利用は、すっかり教育現場にとけ込んでいます。オーストラリアの幼稚園・小学校低学年の教育におけるICT活用教育事情を紹介します。

ICT化が進んでいるオーストラリアの学校

Free stock photo of apple, desk, laptop (47593)

現在、日本の学校では、パソコンやタブレットなどの情報通信機器(ICT)が積極的に導入されはじめています。国の方針として「教育のICT化」が急速に進められていますが、海外の学校はどうでしょうか?

筆者は4年前に家族で日本からオーストラリアに転居しました。オーストラリアの学校教育について驚いたことのひとつが、ICT化が進んでいることでした。パソコンやタブレット、インターネットなど、日本の学校よりも積極的に使われている様子に、大変びっくりしました。

幼稚園からタブレットを使用

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オーストラリアでは、公立の教育は4歳からはじまります。kindy(4歳児)、pre-primary(5歳児)は、いわゆる幼稚園的な位置づけで、小学校への準備をする場とされています。

筆者の子どもが通っていた幼稚園では、授業の一環としてタブレット(iPad)を使う時間がありました。週に1時間ほど、ゲームなどをやっていたようです。まずこのような形で「ICTを使うことに慣れる」ことからはじまります。

YouTubeを教材として活用

https://www.youtube.com/watch?v=HG361wJyDY0 (47599)

英語の数のスペルを覚えるためのYouTube動画の画面例
via https://www.youtube.com/watch?v=HG361wJyDY0
こちらの学校では、黒板が使用されることはほとんどなく、プロジェクターとホワイトボードが主流です。プロジェクターはパソコンとつながっており、先生が用意した資料が映し出されます。

また、ネット上のさまざまな素材が、教材として活用されます。

たとえば、YouTube上には、幼稚園や低学年の子どもが楽しく学習するための動画がたくさん上がっていますが、授業中にプロジェクターを通してクラスで視聴しています。

子どもたちは楽しく学びながら、ICTがどんなふうに活用されるのか、を日常的に見て育ちます。

先生にとっても、効率よく教材を準備できる、というメリットがあるのではないでしょうか。

読み書き・算数の自主学習もオンラインで

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英語の自主学習プログラムReading Eggsの画面例 photo by Author
子どもが自主学習を進めるためにも、ICTは活用されています。

英語の学習には、Reading Eggsというプログラムが使われています。デジタルの本を読んだり、つづりや発音の学習をオンラインで進めるようになっています。

また、算数には、Mathleticsというプログラムが使われています。計算や図形など、幅広い算数のトレーニングがオンラインで楽しく行えます。

パソコンさえあれば、子どもは自分のアカウントにログインし、いつでもどこでも取り組むことができます。進み具合は、先生や親がオンラインでチェックできます。

ICTを使う際のルールも学ぶ

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ICTはたいへん有益なツールですが、リスクがあることを忘れてはなりません。

小学1年生になると、ICT教育も本格的にはじまりますが、その際、子どもたちがまず最初に学ぶのは、

・信頼できる大人以外の前でログインしてはいけない
・信頼できる大人以外に自分の名前やアカウント、パスワードなどを教えてはいけない
・ICTを使う時は、親や先生の指示を守る

といったことです。

さらに、「信頼できる大人とはどんな人?」という議論に発展させるなど、【社会ルール】や【安全教育】と関連付けながら、ICTの取り扱いについて学びます。

終わりに

Portrait of Cute Girl · Free Stock Photo (47636)

筆者自身は、もともと小さい子どもにICT機器を使わせることには消極的でした。

しかし、現代のライフスタイルにおいて、スマホやパソコン、タブレットなどを使わずに生活することはほぼあり得ません。オーストラリアのICT事情を知り、「子どものうちからきちんと使い方を教え、上手に活用することが大切かも」と思うようになりました。

日本の学校でも、ICTの導入は今後さらに進んでいくでしょう。楽しく、効率のよい学習につながっていくことを、期待したいですね。

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この記事のライター