2018年07月18日 公開

子どもの自己肯定感を高めるポイント!親がサポートすることは?

世界と比較すると、日本の若者は自己肯定感が低いと指摘されています。今回は、さまざまな調査から現状を捉え、自己肯定感を高める要素について考えていきます。子どもの自己肯定感のベースは家庭で作られることから、親がサポートできる方法についてもご紹介します。

世界と比較すると、日本の若者は自己肯定感が低いと指摘されています。今回は、さまざまな調査から現状を捉え、自己肯定感を高める要素について考えていきます。子どもの自己肯定感のベースは家庭で作られることから、親がサポートできる方法についてもご紹介します。

「自己肯定感」が低い日本の若者たち

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pikselstock / Shutterstock.com
日本では以前から、自己肯定感の低さが指摘されてきました。2014年に内閣府が公表した調査によると、若者に対して「自分自身に満足している」の質問をしたところ、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答したのは45.8%。これに対し、アメリカは86.0%、英国は83.1%、フランスは82.7%となっており、諸外国と比べると大きな差があります。

そもそも自己肯定感とは、どういう意味なのでしょうか?

自らの存在意義や価値などに関する積極的な評価、自己評価することなどを指す表現。~(中略)~自己肯定感は円滑なコミュニケーションや人間関係の構築などに大きな影響があるとされる。
グローバル化が進む中、若者の自己肯定感が低い日本人は、多種多様な国の人々と仕事や学習面で渡り合うシーンにおいて、大きなハンデとなる可能性があります。

自分の長所が言えない子どもは40%以上も!

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Photographee.eu / Shutterstock.com
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で行った研究によると、「自分の良いところが何かを言うことができる」と答えた子どもは55.3%、「できない」と答えたのは43.4%になりました。

本調査の対象は、全国の小学1年生~高校3年生の子どもとその保護者で、同一の親子(約21,000組)を対象とし、2015年から2年間かけて実施。2017年は、子どもの「自己肯定感」に注目して行われました。

本プロジェクトにおいて、「自己肯定感は自立した学習者・生活者を支える基盤となるもの」としています。子どもが自信を持つ方法や、自分の未来を切り開き方について分析することが目的です。

子どもの自己肯定感と自己否定感は行ったり来たり!?

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東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト調べ
2015年・2016年・2017年の3時点で、自己肯定感が「ずっと肯定」をキープしている子どもは31.1%、「ずっと否定」のままの子どもは20.3%でした。残りの48.7%の子どもは、「肯定→否定」「否定→肯定」など自己肯定感が変化していることがわかりました。

この結果について、本プロジェクトでは、子どもが自己肯定感を維持し続ける難しさがある一方で、なんらかの理由で自己肯定感を持ち、否定から肯定に変わる可能性があると分析しています。

子どもの自己肯定感を高める要素とは?

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Sunny studio / Shutterstock.com
本プロジェクトでは、自己肯定感を高めるに、どのような要素が関連しているのかについても調査が行われています。自己肯定感が高まった項目は、次の通りです。

・成績が上昇した子ども
・勉強が好きになった子ども
・将来の目標が明確になった子ども
・自分のクラスに愛着を感じるようになった子ども
・保護者が「努力の効果」を感じている子ども

これらの結果から、成績だけでなく勉強そのものへの動機づけや、自分の将来について考えるきっかけや経験の機会を持つこと、友だちや周りの大人の関わり方が、自己肯定感を高めることにつながると分析しています。

子どもの自己肯定感を高めるために親ができること

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Yuganov Konstantin / Shutterstock.com

無条件の愛を注ぐ

子どもの長所だけではなく、短所も含めて受け入れ、無条件で子どもを愛することが大切です。たとえば、かけっこで一番になっても最下位になっても、好きという気持ちは変わらないことを伝えるなど。

子どもが親に対して、どんな自分でも愛して受け入れてくれるという安心感を持つことができれば、自己肯定感が高まります。

当たり前のことをほめる

「幼稚園に行く」「朝起きたらおはようと言う」など、日常の当たり前のことをほめる機会はほとんどありません。子どもは、できていない時だけ指摘され続けると、自分はダメだと感じてしまう可能性があります。

当たり前のことこそ、「今日もできたね」とほめてあげれば、自信につながり、自己肯定感が高まるのではないでしょうか。

子どもに近い立場で反応する

子どもの話や行動に対して、「いいね」「なるほど」「うれしい」など、上から目線ではなく、子どもに近い立場で反応すると、子どもは認められていると感じ、自己肯定感が高まります。その際は、長々と発言すると子どもに面倒だと思われるため、簡潔に短い言葉を使うことを心がけましょう。

お手伝いをたくさんさせる

2014年に国立青少年教育振興機構が行った調査によると、「お手伝い」の経験が豊富な子どもは、自己肯定感が高くなる傾向があることがわかっています。

料理作りや掃除をはじめ、日常生活の中で子どもにお手伝いをさせる機会はたくさんあります。子どもがお手伝いをしたあとに、親が笑顔で「ありがとう」「助かったよ」と言ってあげると、子どもは必要とされていると感じます。

豊富な自然体験をさせる

さらに、同機構が行った調査によると、「お手伝い」と同様、「自然体験」が豊富な子どもも自己肯定感が高くなる傾向があることがわかっています。自然体験とは、昆虫採集、海や川遊び、魚つり、木登り、キャンプ、夜空の星を観察、日の出や日の入りを見たなどの経験をいいます。

さまざまな自然体験を通して、自分ははじめてのことでも乗り越えられる、新しい発見をすることができる、体力がついているなど自信がついていくのではないでしょうか。

さいごに……

自己肯定感は、子どもが自信を持ち、自立するために重要なことです。その土台は、家庭で養われると考えられます。自然体験やお手伝いなど、さまざまな体験を子どもと一緒に行う中で身についていくのではないでしょうか。

それと同時に、パパママが子どもとの接し方について見直しながら、得意なことや好きなことも見つけてさらに子どもの自己肯定感を養い、維持できるようにサポートしていけると良いですね。

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この記事のライター