2019年02月11日 公開

塩昆布やとろろ昆布も!子どもの成長を促しイライラを鎮める昆布の栄養

昆布にはさまざまな種類があり、種類によってもだしの風味が異なります。違いを知ることで、家族の好みや料理に合わせて昆布を使い分けてみませんか?昆布を食べるメリットもあわせてご紹介します。日本の食文化を支える昆布のおいしさを、子どもにも伝えていきましょう。

昆布にはさまざまな種類があり、種類によってもだしの風味が異なります。違いを知ることで、家族の好みや料理に合わせて昆布を使い分けてみませんか?昆布を食べるメリットもあわせてご紹介します。日本の食文化を支える昆布のおいしさを、子どもにも伝えていきましょう。

昆布の種類と特徴

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海藻の1種である昆布は、そのほとんどが北海道で生産されています。生産地域によっても種類は異なり、「生産地=昆布の種類」となっているケースがほとんどです。こちらでは代表的な4種類の昆布をピックアップしてご紹介します。味わいの違いを知り、用途や好みに合わせて使い分けてみましょう。

真昆布

だし昆布として利用されるほか、塩こんぶやとろろ昆布、佃煮昆布など加工品としても幅広く使われています。穏やかな香りと上品な甘み、清澄なだしが特徴です。函館沿岸の白口浜や黒口浜、本場折浜などで生産されています。

羅臼昆布

「だしの王様」と呼ばれることもあり、少し黄色味がかったうま味とコクが濃厚なだし汁が取れます。だし昆布以外の用途としては、昆布茶、おやつ昆布、佃煮など。知床半島の根室側沿岸のみに生息します。

利尻昆布

塩気が少し強く香りの良い、クセのない風味です。京都の会席料理などに使われるほか、高級なおぼろ昆布や、とろろ昆布としても使用されています。利尻、礼文、稚内から網走までのオホーツク海沿岸で生産される品種です。

日高昆布

柔らかく煮えやすいのが特徴で、だし昆布以外にも煮物の具材や昆布巻など、万能に使える昆布です。日高沿岸を中心に生産されています。

アルギン酸が頭の回転をアップ

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昆布のぬめりに含まれているアルギン酸は、便秘予防に効果が期待できるとして有名な水溶性食物繊維の一種です。腸内環境を整えることで免疫力をアップさせ、風邪をひきにくい体づくりにも一役かってくれます。そのほかにも血圧の上昇を抑えたり、血糖値の上昇を緩やかにしたりといった作用が見込まれています。

便秘しがちなお子さまにも、健康が気になるパパママにも嬉しい効果がいっぱいです。

イライラを抑えるカルシウムも豊富

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食後にイライラする、あるいは眠くなることはありませんか?これは血糖値のコントロールが上手にできていないため。たとえば朝食を白いパンや、菓子パンですませたときなどに起こりやすいでしょう。精製度の高い炭水化物だけの食事を摂ると、血糖値の急上昇が起きてイライラの原因になってしまいます。

これを防いでくれるのが、昆布などの海藻に含まれる水溶性食物繊維や魚・豆腐などに含まれるたんぱく質です。「和食に使う食品ばかり」だと感じるかもしれません。じつは昔ながらの和食は、イライラ予防に役立てられる実力派です。

ほかにも昆布は、神経の興奮状態をコントロールするのに欠かせないマグネシウムやカルシウムを含んでいます。

昆布のヨードが子どもの成長を促す

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昆布に含まれるヨードはヨウ素とも呼ばれ、甲状腺ホルモンの主原料となります。甲状腺ホルモンは細胞や組織の成長を促すとされる存在。つまり新陳代謝を活発にして、成長ホルモンとともに子どもの脳や体の成長を促す物質と言い替えられます。また昆布に含まれるカルシウムやマグネシウムも、骨の成長には欠かせません。

ひとつ気をつけたいのは、ヨードの摂取量です。摂りすぎると甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、甲状腺腫や甲状腺機能低下症などを引き起こす可能性があります。

海藻類を食べる習慣のある日本人は、普段の食生活で自然と摂ることができる栄養素です。体に良いからといって、毎日のようにたくさんの昆布を食べるのは避けましょう。だしに利用したり、ダシがらを刻んでご飯のおともとして食べるだけでも、充分な量を摂取することができます。

離乳食にもぴったり!

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昆布だしを使えば化学調味料を加える必要がありません。素材の味を活かした調理法は、子どもの味覚を育てることにもつながるでしょう。子どもの頃の食習慣が、大人になってからの食にも影響すると考えられています。素材のおいしさを感じられる食事を、離乳食期からうまく取り入れてみてください。

子どもも大好き!おすすめ昆布レシピ

おにぎり 食物 食事 · Pixabayの無料写真 (127441)

基本の昆布だしの取り方を覚えておくと、野菜を煮たりうどんを作ったりと、さまざまな料理に活用できます。

【基本の昆布だし】
・材料
昆布 20cm角程度
水 1リットル

・作り方
1.水に濡らして固く絞ったふきんで、昆布の表面の汚れを簡単に拭き取ります。
2.鍋に昆布と水を入れて30分ほど放置しましょう。
3.その後中火にかけ、沸騰する前に昆布を取り出せば完成です。

忙しいときは、水につけておくたけでもだしを取ることができます。作り方は基本の昆布だしとほとんど同じ。昆布を水に入れたら火にかけずに、そのまま10時間くらい浸しておきましょう。

【とろろ昆布ご飯】
昆布と言っても難しく考えず、塩昆布やとろろ昆布を使用すれば手軽に摂取することができます。離乳食完了期以降におすすめのメニューで、風邪をひいて食欲がないときにもうってつけです。

・材料
ご飯または軟飯 80~100g
とろろ昆布 ひとつまみ

・作り方
ご飯または軟飯を炊き、炊きあがったご飯にとろろ昆布をふりかけます。

幸せを招く縁起物「よろこんぶ」

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昆布はハレの日に、縁起物として用いられることも珍しくありません。昆布の繁殖力の高さから子孫繁栄を祈願するほか、「よろこんぶ(喜ぶ)」という語呂合わせができるとして重宝されています。

日本人の大切な食文化、昆布を子どもに伝えよう

昆布は日本人の健康的な食生活を支えてきた大切な食材。種類によって味わいや風味が異なり、料理ごとで使い分けもできる優れものです。健康にプラスとなる栄養素を含むだけでなく、噛むことで脳に刺激を与えるなどさまざまなメリットが期待されています。

昆布のおいしさを取り入れ、子どもにも和食を好きになってもらいましょう。

(監修:管理栄養士  佐藤まゆこ )

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この記事のライター

コバヤシ トモコ
コバヤシ トモコ

奈良県出身/フリーライター/週末釣り部/海と釣りが好き/ 優しいダンナ君と優しい中学生の双子男子のステップファミリー